白昼夢に生きるサヨク

なかなか興味深い指摘です。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-185f.html

<あえていえば、「サヨク」な人々がこういう白昼夢に没頭していたために、
この企業主義の時代の次の時代の社会のあり方をマクロに構想するような
イメージが、遅れてやってきた新自由主義以外には90年代には(とりわけ
西欧の社会民主主義勢力に対応すべき人々の間においては)
完全に払底してしまっていたという消極的な意味合いでしか、
その存在意義は語れないのではないでしょうか
(まあ、未だにその白昼夢の中に生きてる人々もいるようですが)。>

今思えば、思想界において、古くは吉本隆明あたりにさかのぼれる、
旧左翼批判が、結局、「55年体制」の擁護にとどまらず、
日本の左翼までおかしくしてしまったと言えるでしょう。

「消費による快楽追求の肯定」「公共的関心=非生産的」
という言説は旧左翼にまで影響を与え、
消費税引き上げに対して、社共が反対して自民党が賛成するという、
ねじれた構図を作り上げたとも言えます。

市場主義や自由主義が、個人の自己責任、受益者負担を説くのに対し、
社民主義福祉国家論は、本来、私的負担の低い公共サービスへのアクセスを
税金でファイナンスすることを説かなければならない。

にもかかわらず日本の左翼は、長らく、
小さな政府で充実した福祉を提供できるかのように宣伝してきた。

民主党は左翼政党ではないが、まさに、
「小さな政府で充実した福祉を提供できる」と宣伝しているわけで、
多分、政策的にはどこかで破綻するでしょう。
彼らの掲げる「予算の組替」で悲鳴を上げる「民間」が、必ず出てきますよ。
悲鳴が上がるぐらい組み替えないと、とても14兆円なんて、
ひねり出せないでしょうからね。

今回の衆院選で、西日本で自民党が健闘したのは、
これから民主党政権が作り出す「痛み」を地方の有権者が予見して、
これに対して抵抗したから、と解釈できます。

早速、新政権が今年度の補正予算の執行停止に踏み切ったら、国を訴えると、
人気の宮崎県知事が息巻いています。

http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009091001000491.html

<宮崎県の東国原英夫知事は10日、民主党が検討している2009年度
補正予算の一部執行停止が実行された場合について「当然、法的な対応を
考えなければいけない。訴訟だろう」と述べ、執行停止の取り消しを求めて
提訴することも辞さない考えを示した。県庁で記者団の質問に答えた。>

「それは<官>だろう」と言いたくなるかもしれないが、
<官>が仕事を発注する先は、<民>ですからね。

<民>が痛まず<官>だけ痛むなんて都合の良いことは、ありえないのですよ。