「改革」がそれほど進まない理由

しょせん、私の仮説は推測に過ぎず、2005年に小泉自民党に投票し、2009年に民主党に投票した人の職業、年収、雇用形態、政策志向などを調査しないと確たることは言えません。

この場合、世論調査で「無党派」を自称する人を分析しても意味ないです。無党派有権者中で常に30%以上はいますが、彼らの多くは投票せず、またマスコミに対して支持政党を言いたくない人も多いだろうと思うのです。実際にはいつも同じ政党に投票しても無党派を自称する人もいます。あくまでも実際に投票した人を分析しないと意味ありません。

2005年に民主党に投票し、今回自民党に投票した「へそまがり」はそれほどいないとすると、実際に自民党から民主党へと投票行動を変えたのは、有権者の高々10%程度です。これで300議席か100議席かが決まるのが現在の選挙制度です。この層の支持を獲得するために、政党は「ムダ排除」とか「官僚制打破」とか言わなければならない。

しかし実際に政権を取れば、彼らの支持者の3分の2はそれほど過激な改革を希望していないので、改革は予想通りに進行しません。小泉さんの場合も、「改革」と称して公共事業の縮小や地方交付税のカットはかなり進みましたが、公務員制度改革はほとんど進まなかった。

民主党も彼らなりの改革項目を相当掲げていましたが、実際にはそれほど進行しないのではないかと思います。彼らの支持者の多数派はそんな改革望んでいませんから。