徳之島の件

金曜日の「朝生」、話題はもちろん小沢問題でしたけれど、「検察批判」の論客が並び、他局とは違う論調になっていて、興味深かったです。

私の考えは、再三言っているように、小沢の裏金授受を立証できれば検査の勝ちだが、そうでなければ思わせぶりの捜査をダラダラ続けるべきではない、ということです。

番組中、検察OBが「政治資金規正法の趣旨は、政治家への資金の流出入を漏れなく記載し、国民からの不断の監視を可能にすることにあるのだから、短期的な立替の類ですら、記入がなければ国民の知る権利を侵害しており、実質犯である」と主張していました。

それも一つの考えですが、そうなると、少々の記載漏れでも検察の裁量で刑罰を科すことができ、仮に「これは立替だから書く必要がない」と指示していれば政治家も有罪で、失職させられる、ということになります。これではあまりに検察の権力が大きくなりすぎはしませんかね。

朝生の議論はかなり踏み込んでいて、内容がありましたけれど、これに対して日曜朝のフジテレビは、新しく報道できる事実もなく、単に「風を吹かせる」イメージだけの内容で低レベルでした。例えば、政治資金団体の不動産所有が悪い、選挙だけでなく日常の政治資金についても連座制を拡大せよ、といった具合です。つまり、現行法では「ザル」だから、もっと強化せよ、という論調。

これに対し民主党の渡辺某副大臣は、連座制拡大に積極的な姿勢を見せていました。

あいかわらず、民主党議員の「お人よし」にはあきれます。検察の裁量でどうにでもなる法律の運用に、国民の代表たる国会議員の政治生命を委ねようというのですからね。

政治資金規正法はともかく、私は、国会議員の身分保証はもっと強化するべきだと思っています。例えば、国会議員の失職については国会内での弾劾裁判のみによって行うなど。

それはともかく、フジテレビで面白かったのは、普天間の代替地として、この数日でにわかにマスコミが報じた徳之島の住民の声の中に、賛成意見もあることを、映像付で報じていたことです。

民主党政権を一刻も早く終わらせようとしているように見えるフジ/産経が、徳之島への移転を実現可能な選択肢として報じていることは意外でした。

だって、もし実現すれば政権の大成果でしょう。支持率も一気に反転上昇ですよ。県外移転の公約が守られ、沖縄県民はもちろん喜び、移転先住民も納得し、連立与党内の協調も保たれ、アメリカも認めるとなれば、すべていわゆる「ウィン・ウィン」の決着となるからです。