就活早期化の弊害

これでしょうね。

http://news.goo.ne.jp/article/diamond/business/2010021201-diamond.html

<いまだに内定がもらえない4年生は、大学の就職部からも見放されつつある。すでに現3年生の就職活動がスタートしており、事務職員が総動員される入試もある。そこで大学側は、就職情報会社や派遣会社など人材系企業に4年生の就職指導をどんどん委託するようになっているのだとか。>

まだ大学卒業もしていないのに、4年の10月、つまり企業から「内定書」が交付される頃になってもまだ内定を得ていない学生は、すでに「既卒」扱いとなり、事実上、大学進学の最大の特典である「学卒一括採用」の対象から外されてしまうのです。

もちろん、昔、就活が4年の夏休み頃だった時代でも、10月1日に内定のもらえていない学生はいたわけです。しかし、彼らは、大学の就職部のケアの対象でした。ところが、今はその頃に3年生の就活が始まってしまうので、就職部はそっちに専念せざるを得ず、4年生の晩秋になっても内定のない学生は見捨てられてしまうのです。

もちろん、今日でも、企業が採用したがるタイプの学生は、すぐに内定を、それもいくつも取って就活を終了します。彼らにとっては、昔の4年生の8月が、3年生の3月に早まっただけです。彼らは、初夏の頃から、卒業研究でも海外旅行でも、たっぷりと時間をかけることができ、充実した学生生活最後の年を送ることができる。

しかし、内定をもらえない子は、もらえる子と同時に3年の秋ごろから活動を始めて、翌年の同じ季節になっても同じことを続けていて、最終的に見捨てられるわけです。

格差当然の世の中なんだからこれでいい、と割り切ってよいのでしょうか。

昔と比較して、内定をもらえない子は、もらえる子の何倍も時間と労力、経済力を傾けざるを得なくなっています。その間、大学の授業にはろくろく出席できない状態が続きますから、大学教育の成果も上がらなくなります。