世論調査

テレビを見ていて気になるのは、せっかく議論が盛り上がっているのに、司会者が「世論調査の結果が○○で国民は△△に反対しています」という言い方で、水をさすというか、気に入らない意見を封じ込めようとすることだ。

本来、マスコミの機能とは、中立の立場で、意見の対立する政治勢力に公平な論争の場を与えることである。たとえ世論調査の結果が伯仲しておらず一方的なものであろうと、番組では、あたかも民意は定まっていないかのごとく扱い、決して、対立する意見の一方を優遇したり、反対に差別しているような印象を与えないように進行するのがマスコミの義務である。

しかし、どうも最近はそうなっていない。議論の最中に、「世論調査はこうなんだから」と一方に軍配を上げるように仕切るのでは、いったいマスコミが政治(政策)論争を国民に中継する意味はどこにあるのか。

日本の財政がこういう状態になってしまった最大の理由も、おそらくここにある。世論調査では当然、国民は増税に反対だろうし、医療や年金公的負担の充実、不況時の景気対策には賛成だろう。政治家が世論調査に支配され、その通りの政策を続けてきた結果が、この財政状況なのである。もちろん、マスコミの責任は大きい。