しょせんアメリカの好況はバブル?

2000年代アメリカの株式市場が低迷したのは、経済成長が構造的なものではなくバブルによる一時的なものだったから、という説明の証拠の一つがここに。

2000年代アメリカの住宅バブルは、国際的な貯蓄過剰の結果ではなく、むしろ原因であるそうな。

つまり、2000年代の米国の好況は、独立変数である住宅市場のバブルによって引き起こされた一時的なものであったと考えた方が、モデル分析と整合するというわけ。

ということは、今後のアメリカ経済が今後回復してもバブルにすぎず、長続きしない可能性が高いということかな。

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http://www.voxeu.org/index.php?q=node/4805

http://www.nber.org/papers/w15759

http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20100622

<最近のLaibsonとMollerstromの共同論文では、モデルを用いてバーナンキの仮説の検証を試みた。そのモデルで米国の経常赤字をカリブレートしたところ、外生的な資金流入は確かに消費の増加をもたらすことが分かった。しかし同時に、そうした資金流入によって、投資がGDP比で少なくとも4%上昇するはず、という結果が得られた。だが、実際にはそのような投資ブームは起きておらず、1995年から2005年に掛けての投資のGDP比率は、上下を繰り返した挙句に1.6%上昇したに過ぎない。しかも、2003年の同比率は1996年よりも低かった。

データに適合したのは、人々の非合理性によって資産価格バブルが起き、そのバブルのために自分たちが金持ちになったと錯覚し、消費ブームが起きた、という仮説であった。実現しなかった将来の生産性上昇の割引価値としてそうしたバブルをモデル化したところ、消費の大幅な増加と投資の極めて緩慢な増加、そして経常赤字のGDP比6%への上昇を同時に説明できた。 >