非不胎化介入

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<非不胎化介入は,浜田宏一先生と小宮隆太郎先生・翁邦雄先生・白塚重典氏との間で10年前に論争があり,『金融政策の論点』(東洋経済新報社http://ht.ly/2FGCr に収録されている。論点はそこで出尽くしており,専門家は今更改めて論争するまでもない。(続き)
約15時間前 HootSuiteから

私も昔に両方の論考を読んだが,小宮先生達の見解が正しいと思っている。要点は,ゼロ金利では,不胎化と非不胎化に違いはない。毎日の資金需給で日銀当座預金が変更するので,非不胎化を定義・検証することは実務上無理。
約15時間前 HootSuiteから >

岩本さんが言及しているのはこれですね。

確かに、プラス金利の世界で正しいことはゼロ金利の世界では必ずしも正しくない。たとえば、最近の理論研究では、財政政策は、プラス金利なら無効だが、ゼロ金利なら有効です。

同様に、プラス金利なら「不胎化」の有無の区別は意味があるが、ゼロ金利ならどうなの?と考えてしかるべきです。

となると、ゼロ金利では、貨幣総量の相対比(あるいは伸びの相対比)と為替レートの変動方向の一意の関係が失われるとして、為替レートを決める理論って、どうなってるんでしょうね、、、、

それにしても、言葉の問題ですけれど、「不胎化」って、なんとかならないものですかね。「日銀が非不胎化しないから悪い」なんて言いますけれど、「非不胎化しない」は「三重否定」で、もう、何が何だか。

さて。

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http://www.imes.boj.or.jp/japanese/kouen/ki0001.html

<一連の主張の背後にある浜田モデルの全体像は明確ではないが、論文から推測すると、一般均衡モデルを想定し、ベース・マネーを増加させた場合、ゼロ金利下では金利は変動しないから資産市場の均衡を回復するため円安が起きると考えているか、部分均衡モデルを想定し、為替相場は長期的には購買力平価を反映するため、ベース・マネーを増加させれば、現在(および将来)のマネー・サプライが増加し円安になると考えているか、のいずれかと思われる。

 しかしこの二つの議論はゼロ金利下ではいずれも正しくない。これは十分な流動性供給の結果、短期金利がゼロになっている場合、短期国債とベース・マネーとはほぼ完全に代替的(保有者にとって両者はほぼ無差別)になっていることによる。

 まず、その含意を一般均衡モデルに即して説明しよう。介入の不胎化とは、中央銀行が、介入によって供給されたベース・マネーを短期国債などの売却によって吸収するオペレーションである。しかし、ゼロ金利下では、両者はほぼ完全に代替的である。資産市場の一般均衡モデルでは、ほぼ完全に代替的な二つの資産を入れ替えても均衡は変わらないから、ゼロ金利の下では非不胎化介入と不胎化介入の均衡は同じになる。つまり、不胎化介入でベース・マネーを増やしても為替相場の均衡値は変化しない。

 二つめのアプローチでも結論は同じである。一般均衡に影響がない以上、非不胎化介入でベース・マネーが増えても、マネー・サプライが増加しない筈だからである。しかし、期待を通じる効果は存在しうるので、その点については後述する。

 「ベース・マネーだけ増やしてみても、ゼロ金利に近いところでは金融機関の準備として保蔵されるので無意味である」という日銀の主張を、浜田氏は「ポリシー・ミックスの理論を理解しないもの」、として一蹴されているが、浜田氏の立論は、ゼロ金利政策の上記のような本質を見落としていると思われる。>