文系VS理系

例の、「文系と理系でどちらが年収が高いか」論争ですけれど、西村和雄先生が日経『経済教室』に書いたことは、日経新聞も賛成したことになるのでまずいと考える人が、あらためて反論を書いています。

http://news.livedoor.com/article/detail/5031515/

ちょっと判断がつきかねますけれど、思いあたるのは、ネットの多数とマスコミ世論調査における世論がかなり乖離していることが、民主党代表選で確認されたことです。正しかったのはマスコミで、比較的世論に近いと思われる党員・サポーター票で6割得票したのは、マスコミの調査通り菅でした。

<今回のインターネット調査は「予備調査で約9万人のサンプルに配信した上で大卒者6870人に絞って配信し、2152人の有効回答から分析に用いる変数に欠損がない1632人を分析した」とだけ説明されています。その結果が平均年収で文系(平均41.11歳)583万円に対し、理系(平均41.05歳)が681万円と高く、これは年齢別でも大学の難易度別でも同じだったといいます。文系で数学選択の有無をみると、636万円対506万円で数学選択者が高く、前回同様といいます。

このインターネット調査だけで結論が出せる度胸の良さに唖然としました。この1632人がどうして日本の大学卒業者全体を代表できるのか、どこにも説明がありません。たまたま調査会社に登録した人から大卒者を選び、3割もない有効回答率の下で議論をしています。年収は完全に自己申告でしょうから正確とは思えません。また、テーマが収入であることを考えると、ネット調査会社に登録してお金を得ようとしている人ばかりが対象となれば、かなりひねくれた偏り、いわゆるバイアスがあると考えられます。>

西村さんのネットの調査では、民主党の代表選みたいに、言いたい人の声が大きくなるというネットの性質はある程度周到に配慮されているようにも見えます。どうなんでしょう?

それとも、<たまたま調査会社に登録した人から大卒者>という集団が、そもそも相当偏っているのでしょうか。