「尖閣は日本の領土」は顕教にすぎないのか

この人もヨニウムさんと同様のことを言っている。つまり、初動時点で誤りであることはわかったはずだ、と。

尖閣に関して日本に逮捕権はなく、中国人が何をやっても日本は逮捕できないというのが、日中の暗黙の合意であり、鄧小平の「東洋的上策」だというのです。

つまり、「尖閣は日本の領土」であり、本土並みの警察権があると主張するのは、国民向けのポーズであり、「顕教」にすぎない。「尖閣について日本の警察権はない」というのが真実の姿であり、政治家や指導者は当然知っていなければならない「密教」だというわけ。

したがって、これを知らなかった前原や岡田は政権担当能力のないアホ、ということになる。

こういうことでいいんでしょうかね。

中国こそ、日中中間線近くを勝手に開発したり、「東洋的上策」を放棄していると思いますけれど。

日本政府は石垣島の漁民に尖閣で操業しないように指導していますけれど、中国は中国漁船の尖閣近辺での操業を黙認している。

中国が東洋的上策を放棄しつつあるからこそ、今回は、日本が尖閣で原則的で毅然とした姿勢を示す必要があった、とは言えないでしょうか。

中途半端に毅然とした姿勢を撤回したので格好悪い結果に終わってしまいましたが。

ただ今回、日本が中途半端であったとしても粘ったことで、中国の覇権の脅威は多少なりとも国際的に共有されたと思います。

また、日本がさらに粘って中国が不測の行為に出れば、日米安保がどのように機能するか見極めるチャンスになったでしょう。

少なくとも、中国の行為によって、日本国民の世論は、日米安保や沖縄の駐留米軍の重要性や、防衛費の増額を理解する方向に傾いたと思いますよ。

そもそもそれが前原と、その背後にいるアメリカの陰謀だったとでもいうのでしょうか。

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http://blogs.yahoo.co.jp/bmb2mbf413/35815957.html

<今回の事件についての解説の中で、最も説得的なもの一つは田中宇による分析である。
何が原因であり、事件の構図は何だったのかが的確に説明されている。
この事件は、日本側が先に仕掛けたものであり、中国側に逆襲を食らって粉砕殲滅された事件である。
尖閣諸島は、わが国固有の領土であると同時に、日中間の国境線を画す上で未決着の領土問題で、日中が国交を樹立した当初から懸案の難問だった。
鄧小平はそれを将来に棚上げする東洋的上策を勘案し、日本側も鄧小平の知恵を歓迎して受け入れた経緯がある。

船長がこれほど早く釈放され、日本側の無条件降伏に終わるとは、多くの日本の国民は予想していなかっただろう。
起訴の後で交渉が続くと思ったに違いない。
釈放せざるを得なかったのは、経済制裁の圧力と恐怖もさることながら、そもそも日本側に非があり、二国間で定めた暗黙の前提を破る暴挙があったからだ。
海上保安庁は、この海域を監視警備し、威力して中国や台湾の漁船を追い払うが、中国人漁船の拿捕には及ばない。

そのクリティカルなルールをバイオレートしたのは前原誠司で、暴走は意図的で計画的なものであり、中国はその事実と動機と背後関係を見逃さなかった。
報道で紹介されているとおり、海保の巡視船が中国漁船に接舷して乗組員を取り押さえた後、逮捕まで13時間かけている。

逮捕が初で、重大な外交問題に発展するからで、政治の決断を要する問題だったからである。
ここで逮捕を決行することは、鳩山政権から友好に努めた日中関係を転換することを意味し、中国政府の反発と報復を招く事態が当然に予想された。
だが、前原誠司はそこに踏み切り、中国の反応を読み違えた仙谷由人が安直に暴走を許可してしまう。
中国政府は北京の丹羽宇一郎を三度にわたって呼びつけ、中国側の断固たる決意を示している。
三度目が国務委員の戴秉国で、9/12の午前0時呼び出しであり、この時点で日本政府はコトの重大性に気づかねばならなかった。

ところが、日本政府は中国を甘く見て逆に動く。
それは9/14の代表選後の閣僚人事で、前原誠司の外相就任である。>