日本人がノーベル経済学賞をもらえるか

今後数年間、アメリカ経済が日本の「失われた十年」のような事態になれば、清滝さんが考えたメカニズムを取り入れて論文を書く学者が増えるでしょうから、受賞の可能性は高まりますね。

トムソン・ロイター社は受賞者と受賞者候補一体のリストを毎年更新している。これまでどれだけ当たったか、外れているかがわかります。

http://science.thomsonreuters.com/nobel/categories/economics/

今年の、ダイヤモンド、モーテンセン、ピサリデスは全然予測されていなかったんですけれど。

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http://www.asahi.com/business/update/1012/TKY201010120349.html

<物理学や化学など6分野あるノーベル賞の中で、日本人受賞者がいないのが経済学賞だ。ただ、今年は米プリンストン大でマクロ経済学を専攻する清滝信宏教授(55)が有力候補として浮上。来年以降も注目を集めそうだ。

 清滝氏が注目されるようになったのは、ノーベル賞の受賞予想者を発表している米トムソン・ロイター社が今年、清滝氏を候補に挙げたのがきっかけ。同社が過去30年分の論文の引用回数を調べたところ、清滝氏とロンドン・スクール・オブ・エコノミクスジョン・ムーア教授が1997年に共同発表した論文が最も引用されていたという。

 この論文は、金融危機のような一時的なショックがなぜ実体経済の長期的な停滞をもたらすのかを考察したもの。日本経済がバブル崩壊後に長期停滞に陥ったことから、本格的な研究を始めたという。

 清滝氏は、東大時代に宇沢弘文名誉教授のゼミに所属し、米ハーバード大で博士号を取得。大阪府が地盤の旧池田銀行(現池田泉州銀行)の創業者一族で、父の一也氏は元池田銀頭取。講義では「父はこうやってお客にお金を貸していた」と家業を引き合いに出すこともあったという。

 経済学賞を受賞したピーター・ダイヤモンド氏ら3人は62~71歳だが、清滝氏はまだ55歳。ゼミの同期生の宮川努・学習院大副学長は「経済学者の評価が固まるのは自然科学と違って時間がかかる。若い清滝氏は今後に期待できる」と話す。(鯨岡仁) >