国民負担は当然

これは、まともなブロガーはまともなことを言う、という例ですね。

電力料金を引き上げると日本企業が競争力を失う、だから電力料金を低く据え置け、という議論のおかしさは明らかです。これは、民間企業を助けるために、電力料金を価格統制する社会主義をやれ、と言っているに等しい。

民間企業である電力会社が経営判断で(電気を使わせるため)さまざまな割引をするのはよい。しかし、それを代わりに国家がやるのはおかしい。

日本をダメにしてきたのは、「負担は嫌です、利益だけください」とずっと言ってきた国民自身です。

で、金融危機でも天災でも、何か災難が降りかかると、特定の人(株主、債権者、政治家、公務員等)に負担を押しつけて解決しようとしてきた。これが「失われた何十年」の原因です。

だから「日本人を信じている」というCMは偽善なのです。

政府はもうそろそろ、国民を救済するのをやめるべきです。

*******************************************************

http://news.livedoor.com/article/detail/5558647/?p=1

<電気料金を上げるのはおかしいという議論もよくわからない。電気が不足していて、電力を得るコストが上昇しているのだから、当然、電気料金は上げるべき。

個人宅なら電気料金が2割上がったら電気の使用量を2割減らせばいいだけです。つまり国民に求められているのは「節電」以外のなにものでもありません。もちろん「節電がイヤだ!」という人はその分のお金を(罰金的に)払うわけだからそれでいいじゃないですか。節電がヤなわけ?

ちなみに、今、地下鉄やJRやデパートなどは電気を一部消してるけど、あの分、それらの会社は電気代(経費)が安くなってます。今だとそのために増えた利益は、JRやデパートの株主に帰属してるんだよ。

これは、電気料金の値上げによって、節電努力で捻出したお金を(それらの会社の株主の利益ではなく)福島の人の補償に当てましょうって言う話なんです。

何に反対してるのか全然わからんす。


電気料金を値上げしたらコスト競争力が落ちて工場が海外移転するとか心配する人がいるけど、したらいーじゃん。どうせこの国は「製造コストの安さ」で勝てる国じゃないんだから。「コストが高くても、この会社に発注したい!」と思ってもらえるもの以外の工場は、海外移転すればいいよ。そして、「コストが高くてもやっていける商品を開発しなくちゃ!」ともっと迫られたほうが日本のためになるって。


大口債権者の銀行が責任を取らないと変だというのもよくわかんない。債権者は株主と違うんだから経営責任なんてないでしょ。倒産したら全額は戻ってこないし、担保があればそれを得るし、利子が払われなくなれば期限の利益を失ってデフォルトするだけです。普通に契約書通りやればいい。

日本の債券市場への影響まで云々する人がいるけど、そもそもそんなたいした市場じゃないんだからどうでもいいって。格付け機関はなんかひとことくらい言うことあるんじゃないの?とは思うけど。

一方で、株主の経営責任を問う意見はそれなりに理屈が通っているとは思うけど、今この時点で東電の株主責任を問うことにエネルギーを使うのが政府の優先事項なのか、ってのは疑問だよ。すでに株主は、株価下落と向こう10年単位での配当ストップ(予想)という形で、相応の責任は取らされてるはず。

まだまだ福島原発は収束に向かいつつあるなんてとても言えない状況なんです。まずは福島の現場を安定化させ(=工程表通りの解を実現し)、福島の人の生活や仕事を補償し、話はそれからでしょ。東電の経営者や政治家の多大な時間を割くことになる経営体制の変更を、今やるべきだとは全然思いません。>