専門家ほど排除される状況

こりゃもう、100%同意。

私も、山下俊一教授は、彼のマスコミ登場場面や、福島県での講演動画などから見て、まともな学者であると判断します。

http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1037

むしろ、素人のくせに風評を流している武田邦彦こそトンデモ、と思います。だいたい、山下は放射線医学の研究者だが、武田は材料工学の学者にすぎないじゃないですか。

テレビカメラの前で大涙を流した小佐古敏荘についても一言言いたい。一般には、専門家に素人に向かって解説しなければいけない義務があるわけではないが、ああいう場所で大見得を切ったからには、マスコミで科学的な説明をするべきではないか。まさか彼に武田邦彦程度のことしか言えないわけではあるまい。

にもかかわらず彼が言ったのは、「放射線管理に従事する労働者だって、年間20ミリシーベルトも被曝する人はそんなにいない」ということだけ。まさか、これが科学的説明、ではないでしょう。

テレビで、神奈川県民なのに沖縄県石垣島(!)まで子供を連れて避難している母親に、現地でインタビューしていました。もちろん、顔は映さず声も変えていました。御本人も「さすがに笑われるかもしれないけど」と自嘲していました。冷静に考えれば過剰な警戒と思うけれど、恐怖心や不安は抑えきれない、ということでしょう。

世の中を漠然と支配しているのは、極端な行動でも正当化してほしいという欲望です。その結果、一番過激なことをいう「専門家」を名乗る素人が尊重され、現実的だがつまらないことをいう専門家は排除される傾向がある。

しかし、不安感や恐怖心をそのまま認め正当化してくれる専門家なら必要だが、そうでなければ要らない、というのはいかがなものか。

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http://news.livedoor.com/article/detail/5656389/

<もちろん「200ミリシーベルトを超えると危険性が確認される」は、「100ミリシーベルト未満は安全」を意味しない。多くの科学者が悩む点だが、実際のところ実験や調査では危険性の証明ができても、安全性の証明はできないためだ。

何人かの科学者は「年間100ミリシーベルトは安全」に同意はしていない。小佐古敏荘東京大学教授が、校庭利用を制限する放射線量基準で年間20ミリシーベルトが高すぎる基準だと内閣官房参与を辞任して抗議した。しかし、小佐古教授は危険性を示すデータや研究などを示していない。この点に関して電子メールで質問を送ったが、返答は得られなかった。武田邦彦中部大学教授も危険性の喚起を行っているが、放射線量と健康被害を直接示すデータを示していない。

山下教授を科学的に批判したければ、危険性を示す実証研究を提示する必要がある。その研究結果が科学的に妥当なものであれば、科学的見地から評価できる賛同者が増えるであろう。しかし、8万人もの追跡調査の結果でも、年間100ミリシーベルト未満の低レベル被曝による健康被害は証明されていないそうだ。現時点では山下教授を科学的に批判するのは無理なように思える。>