御用学者を刑事告発!

ついに脱原発論客の真打登場と思ったら、こういうやり方(刑事告発)はよくありませんね。

問題は、理由が妥当かどうかです。

http://news.livedoor.com/article/detail/5719806/?p=1

学童疎開をなぜ呼びかけるかというと、3月30日に、ヨーロッパ議会の中に設置されている調査グループ「ヨーロッパ放射線リスク委員会(ECRR)が、国際原子力機関IAEA)と日本の公式発表情報から得たデータを使用して、福島原発事故によって近隣地域で今後発症すると予想される癌患者の増加数を発表した。ECCRの予想では、333万人8900人が住んでいる福島原発から100km圏内では、19万1986人が今後50年間で癌を発症し、そのうち半数は今後10年間で発症する。研究者トンデル氏の計算では、今後10年間に、10万3229人が癌を発症する。>

さしあたって、この主張を評価する材料がありませんけれど、「欧州放射線リスク委員会」って、どういう団体なのでしょう。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A

<欧州放射線リスク委員会(European Committee on Radiation Risk, ECRR )は、ベルギーに本部を置く市民団体である。団体の名称に「委員会」とついているが、欧州評議会及び欧州議会、または、国際連合やいずれかの国の政府等とは関係ない私的団体である。(中略)

放射線防護を目的とした・・・』は、発表されてまもなく、英国健康保護局(en:Health Protection Agency)による批判が加えられた。同局は、ECRRを「公的機関と関わりのない独自(self-styled)の組織」とした上で、「恣意的であり、十分な科学的根拠を持たず、ICRPについては多くの曲解が見られる」とした。


Wikipediaはずいぶん批判的ですね。これから編集合戦が起こりそうな気がする。公的機関と関わりを持たない市民団体、というのは必ずしも悪くないと思います。

で、福島については、

http://www.euradcom.org/publications/publications.htm

http://www.euradcom.org/publications/fukushima19032011.pdf

要は、ICPRの評価は内部被爆をきちんと考慮していない、という主張のようです。正しく内部被曝を評価すると、次のような公式が得られるそうで。

<Take the dose which is published by the Japanese authorities. Multiply it by 600. This
is the approximate ECRR dose for the mixture of internal radionuclides released from
Fukushima. Then multiply this number by 0.1. This is the ECRR 2010 cancer risk.>

何かを600×0.1=60倍すれば、ガンの発症確率になるらしい。

ただ、上記の福島原発の周辺100キロ圏内に関する具体的な数字は、ここに書いてありません。

公式の導出過程についてはここに。

http://www.euradcom.org/2011/ecrr2010.pdf

日本の運動家が訳した日本語版もあるみたい。

http://www.jca.apc.org/mihama/ecrr/ecrr2010_dl.htm

ここに、ECRRの指導的学者のインタビューが出ている。

http://senmaya.at.webry.info/201103/article_38.html

http://www.presstv.ir/detail/171460.html