みんながハッピーになる年金改革案

財政が持続可能であるためには消費税率35%必要、という専門家の研究を紹介しましたが、

http://blogs.yahoo.co.jp/mazepparrigo/35982503.html

そのコストが「消費水準が恒常的に1.5%低下」するだけなら、別にいいじゃん、というのが私の見方です。

ところが、オバタセキが「消費税率はぜいぜい15%で、みんながハッピーになる」というバラ色の年金改革案を披露している。

要するに、現在すでに給付されている人の給付水準は一切切り下げず、別勘定として切り離し、残りは一度に積立方式に移行し、支払い済みの保険料については、これまでの年金基金の運用実績利率で計算した元利合計を個人勘定に組み入れるということです。

問題は、切り離した給付開始済みの年金債務を、どう負担するかということですが、これについて小幡は「消費税率15%」で何とかなる、と言っているわけ。

おそらく、同じ枠組みで土居丈朗が計算すれば「消費税率35%が必要」と言い出しそうな気はする。

とはいえ、35%とか言う人は、そもそもこんな数字が政治的に受け入れられるわけないと思っていて、年金カットと小さな政府を実現しようとしてあえてこういう計算をしている可能性はあるかもしれません。

小幡さんには、この案を橋下にでも売り込んで、将来の経済財政担当大臣でも目指していただきたいと思います。

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http://blogos.com/article/27191/?axis=p:0

<それでは、絶望するしかないのか。そうではない。簡単だ。みんなが得をする案を作ればいい。

それは無理だ、と言ったばかりであるが、実質的にみんなが得をすることはできないが、みんなが現在の期待値を上回る案を作ることは可能である。すでに受給している人の年金額を現金で減らすのは難しい。だから、給付削減はとりあえずしない。しかし、今の30代以下の人々は、多くの人がどうせ年金はもらえないと思っている。だから、少しでももらえるようにし、これ以上、負担を増やさなければいいのだ。

これが可能なら、改革案、いや、新しい年金制度は政治的にも実現するだろう。可能にする一案は、完全積み立て方式への移行である。これにより多くの問題点が解決する。

これまで、厚生年金に入っていた人も、国民年金に入っていた人も、自己負担分(雇用者負担分は移行財源として切り離す)は、個人の自己勘定に組み入れる。それが自分のものとなる。パートも正社員も一緒だ。公務員も自営業者もだ。所得の一定割合(給与であればたとえば10%)を自己勘定に、自分の貯金のように積み立てる。それにこれまで自分で積み立てた分を併せて、65歳から、あるいは70歳から(支給開始年齢を選べるようにしてもいい)、死ぬまでもらえる。こうすると、現在の受給者、あるいは55歳以上の人々は予定が狂う(少なくなる)から、一定年齢以上の人々は、これまで約束されていた水準でもらえることにする。足りない財源は、現在積み立ててある部分と、今後の税収によってまかなう。企業負担分は減るから、総賃金支払いの2〜3%を特別年金移行税として設置し、残りは消費税だ。移行期なので、つなぎ国債も、年金特別国債も発行する。消費税はプラス5%が限度と思うので、もし現行から行くなら10%、これ以外の理由で消費税が既に上がるのなら、そこからプラス5%だ。

細部は必要ならば改めて説明するが、私は、この10年、この案を様々な場面で提案してきた。ポイントは、現在、年金に対する期待値が低い人たちには、自分のために積み立てることに変えることで、これまでの分の損失が出ても、望ましいことになるところで、そこに現状からプラスサムになる可能性があるのだ。 >