芸術とファシズム

確かに、「社会の破壊」が橋下の動機の一つであることは私も感じます。

とはいえ、ヒトラーと橋下には大きな違いがある。後者はまったく芸術を解せずむしろ憎んでいるけれど、ヒトラーはかなり高尚な芸術愛好者だった。そもそも、画家上がりだし。

*****************************************************

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20120412

<ところで、音楽に限らないが、芸術作品にはしばしば人間の心に潜む暗い闇が投影されており、それを感知できる受け手の心を震撼させる。逆に言えば、そういったどす黒さを作品に閉じ込めるのが芸術家の仕事といえる。ベートーヴェンの音楽にもそういうところがある。

一方、橋下やヒトラーのような人間は、そうしたエネルギーを解き放ち、社会を破壊する。いってみれば「逆芸術家」のようなものだと思う。

だからこそ、橋下は芸術を憎む。そんな橋下が解放しようとしている「破壊のエネルギー」を「閉じ込める」ことこそ、日本に住む人間のなすべき仕事である。(中略)

この記事を読んで、橋下に巣食う「暗い情念」のどす黒さを感じ、慄然とせずにはいられなかった。文楽やオーケストラに対する橋下のルサンチマンは「病的」の一語である。そんな橋下とヒトラーとの連関を論じない方が知的不誠実であると私は思う。>