不信任案可決による野田総辞職はないんじゃない?

自民党としては、民主党内が分裂していると見れば、内閣不信任案を出すでしょう。これに小沢系が同調して可決して、小沢系に何かいいことあるか?

「いいことある」という見方は、野田がスンナリ総辞職して、しかも小沢系に御咎めなし、という場合である。輿石がすべてを仕切れば確かにそうなるかもしれないが、仮定が多過ぎないか。

こうなれば野田には解散の大義名分ができる。そもそも、民主党はじり貧で、自民と取引して消費税と引き換えに解散しても、「談合」という批判を受けるだろう。

野田としては、成果を残したいので、談合してでも消費税を通したいと考えているかもしれない。しかし、いったん不信任案が可決されてしまったら、成果を残す唯一の方法は解散である。

消費税が「錦の御旗」になるわけないから、野田は解散できない、誰かが止める、と小沢系は思っているのかもしれないけれど、甘すぎないか。

輿石が止める、ということなんだろうけれど、そもそも、野田は輿石を更迭することもできる。もちろん、野田の性格からしてそこまではやらないとは思うが。

冷静に考えれば、小沢は不信任案賛成には踏み切れない。とは言っても、野田が小沢を無視して自民と談合して消費税を成立させればやはり解散になる。

談合解散になれば民主党はおそらく惨敗。それでも野田は成果が残せたわけで、満足。これに対して高齢の小沢が野党の党首として復活しても、あまりいことはなさそう。

小沢系として、グズグズ先送りにして総選挙をさせず、9月の代表選で野田にとって代わることに一縷の望みをつなぐ、ってことではないか。

小沢の試金石はあくまでも消費税法案だろう。しかし、これに欠席ないし反対投票をすれば少なくとも党員資格停止は避けられず、9月に復活できなくなる。傀儡を立てる場合も同じだ。

とにかく、消費税法案を先送りにすることに全力を注ぐ、ということになるのではないか。

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http://blogos.com/article/40399/?axis=g:0

野田首相から秋波を送られている自民党は、さしあたり様子見を決め込むのではないでしょうか。消費増税法案の成立に協力するか、それとも野田内閣を解散・総選挙に追い込むか、という二つの選択があり得るからです。
 修正協議で対案のハードルを低めれば、野田首相に丸呑みされ、増税法案に反対できなくなります。この過程で解散・総選挙が約束さえれるかどうかは不明で、消費増税の責任だけを分担させられるというリスクがあります。
 もし、民主党内での対立が高まり、小沢グループが明確な反旗を翻せば、内閣不信任案を提出するかもしれません。民主党内での亀裂が大きくなれば、可決される可能性が出てくるからです。

 小沢さんは、できれば消費増税法案の採決を先延ばしし、秋の民主党代表選挙で反転攻勢に転じたいと考えているでしょう。輿石幹事長は、その意を受けて、密かにサボタージュ戦術を実行しています。
 しかし、野田さんが自民党との連携に走り、採決を強行しようとすれば、真正面から激突せざるを得なくなります。自民党案の「丸のみ」などの妥協に抵抗し、早期の採決に反対するにちがいありません。
 野田さんが自民党に擦り寄ろうとすればするほど、この抵抗は強まり、反対派は小沢グループだけではなく鳩山グループや中間派に拡大する可能性があります。もし、内閣不信任案が提出されれば、それに賛成するかもしれません。>

http://blogos.com/article/40392/?axis=g:0

<このとき、小沢氏が離党するのが当然のように思われているが、そうでもないのではないか。

小沢氏は離党すれば勝算はもうない。誰とも組めないだろう。橋下氏は人気のない小沢氏と組む可能性は選挙前にはほとんどないだろう。

それよりも小沢氏あるいはグループにとって望ましいのは、選挙は民主党のまま戦って、あるいは選挙があろうとなかろうと、9月の代表戦で勝負をする、ということだ。選挙に負けても、選挙がなくても、野田首相政権運営を批判し、代表戦で対決する。選挙に惨敗すれば、自動的に野田氏は代表を降りる可能性も高いから(惨敗の程度によるが)、そのときは、誰が代表戦に立つにせよ、グループとして勝利することを目指す。これならば、買った場合には、民主党全体を動かすことができるから、政権を取り、その中核になる可能性がまだ残されている。>