梶原

河本の会見が不祥事を起こした会社経営者みたいで、少なくとも「悪いことをしました」という後ろめたさが感じられるところがありましたけれど、梶原の方はなんだか自信たっぷりで「悪いことは何もしてません。いくらでも説明できます」という風に聞こえましたね。

マンションが抵当に入っていて売れない、というのはそんなに悪くないように思います。というのも、生活費と住居費は区別して支給されますから。ただ、本人名義の場合は売却が求められ、生活保護者としてふさわしい質素な場所に移転させられるのに対し、他人名義なら少々豪華なマンションでもOKということになると、公平性の問題が残ると思います。

これに対して、「月40万円のローンだから余裕がなかった」という説明には当初から違和感を覚えました。例えば月返済額を30万円にして返済期間を延ばし、浮いた分10万円を母親に仕送りできるからです。

芸人の場合、吉本ファイナンスしか貸してくれるところがなく、しかも短期返済しか認められない、という事情があったかもしれません。しかし、それならそれで、最初からローンを組んでマンションを買うなどということをせず、母親の賃貸アパートの家賃を補助すべきだろう、と言うことはもちろんできるでしょう。

しかし、そういうことを福祉事務所や行政が強制力を以て求めることができる制度を作るというのは、難しいでしょう。

そもそも、大企業、中小企業を問わず、世の経営者というものは、いかに金を持っていないように見せ、税金はできるだけ払わず、補助金はできるだけ多く受け取れるように財テクに励んでいると思うのですよ。

生活保護の場合、あまり形式的な基準は貧困世帯のライフラインを断つ可能性もあります。

というわけで、今回のような、ある種のプライバシーの公開は、巧妙過ぎて社会的に許容しがたい生活保護受給の抑制に効果的であり、副作用も少ないのではないかと思います。

というのも、成功した芸人の場合、このような形で生活保護を止めてもライフラインの切断とはならないと思われるからです。

もちろん、河本のようにこれで笑ってもらえなくなり、一気に収入を失って親族が生活保護受給資格を回復したら、その時はその時で、支給再開すればいいでしょう。

財テクするかどうかにあたって、そういうリスクも考慮しなければならない、という教訓を吉本や芸人が得たとすれば、保守政治家による追及もあながち人気取りとばかり批判できないのではないでしょうか。

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http://blogos.com/article/40403/

<マンションを購入。母親を住まわせる
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マンションは親戚が担保として使い、梶原さん本人は「自分の意志で売却できない」結果に
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マンションローンが月40万円で、梶原さん本人は「扶養の余裕が無い」形に
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母親が生活保護申請。息子は3人いるが、とりあえず年収2000万円(推定)芸人の梶原さんは、上記ふたつの理由から生活費援助が無理と主張
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生活保護受給が認められる
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結果、「母親はマンション住まいを満喫しながら生活保護受給」という事に

うーん。>

http://woman.infoseek.co.jp/news/entertainment/story.html?q=menscyzo_29May2012_10402

<「芸人という不安定な職業の梶原は、長期で銀行ローンを組むのが難しいため、ノンバンクから短期で借りている可能性が高い。そのノンバンクというのが、吉本の子会社『吉本ファイナンス』ではないかと言われている。同社は、通常はローンが組みにくい芸人を査定して金を貸し付けるシステム。売れない芸人や養成所の生徒の生活費、東京進出の引っ越し代などを会社が貸す場合、吉本ファイナンス経由で貸し付けるパターンが常態化している」(芸能関係者)

 これだけならば、芸能事務所が金融業に手を出しているというだけでしかなく、全く問題はない。だが、ここに生活保護というファクターが加われば、本来は支払えるはずの家族の生活費を生活保護でまかない、その分を吉本ファイナンスのローンに回してしまった、とも見えてしまう。

 今回の騒動で生活保護制度の見直しに拍車が掛かっているが、本当に必要な人に行きわたらなくなるほど締め付けを厳しくしまうのは本末転倒だ。生活保護受給者が、不当な批判にさらされることもあってはならない。しかし、暴力団員による不正受給や悪質なNPOによる生活保護費の中抜きビジネスなど、弱者のための制度を食い物にしているヤカラが存在するのも事実。今回の騒動をきっかけに、冷静に効果的な見直し策を探っていくことは必要といえるだろう。>