法科大学院、定員割れ8割超

これは、法科大学院の失敗どころか、成功の証拠ではないですか。

だって、文科省は「自由に参入させ、競争させ、淘汰する」という方針を採っていたわけですから。

最初から、例えば10校にしぼる、などというやり方をしていたら、不公平と批判されたでしょう。競争の結果、生き残ったところのみ補助する、という政策なら批判はされない。

もっとも、一部の若者の人生を弄んだ面がないとは言えない。しかし、仮にトップ10校しか存在しなければ法科大学院に入れなかったと思われる人が、緩く認可する方針のおかげでチャンスをつかんだという可能性もあると思います。

今後は、上位10校を中心とする、合格率の高い法科大学院に入ることがもっとも重要になり、熾烈な受験競争が展開すると思われます。しかし、これまた今日、医学部受験で起こっていることであり、そもそも、医者と同じように専門の教育機関を卒業すれば事実上弁護士になれる、というのが
改革の趣旨だったことを考えれば、当然でしょう。

*****************************************************

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1401H_U2A610C1CR0000/?dg=1

<今春、学生を募集した法科大学院73校のうち、86%に当たる63校で入学者が定員を下回ったことが14日、文部科学省の調査で分かった。定員の半数に満たなかったのはうち35校で、前年度より14校増えた。

 20校は入学者数が10人未満となり、特に新司法試験合格率が低迷する学校は前年度からの落ち込みが大きかった。

 学生数が極端に少ないと教育の質の確保が難しくなる。運営がさらに厳しくなったことが入学者数からも裏付けられ、統廃合が今後加速する可能性がある。

 定員に占める入学者数の割合(充足率)が最も低いのは神戸学院大の6%で、次いで東北学院大7%、駿河台大10%、来年度からの学生募集停止を決めた明治学院大13%が続いた。国立は新潟大、静岡大、島根大、香川大、鹿児島大の5校が5割を下回った。全体では前年度比9ポイント減の70%となった。

 一方、100%以上だったのは、一橋大、京都大、神戸大など10校で、国立大が大半を占めた。

 73校の合格者数は、前年度より586人減の延べ6522人。志願者数は1万8446人で4481人減り、入学者数は470人減の3150人だった。>