小選挙区ほどつまらぬ選挙制度はない

確かに、次の選挙で投票したい政党がない、と思っている国民は多いでしょうね。特に小選挙区では、勝てる見込みの政党に入れなければ死票になる、という制約があるから、余計面白くない。

マスコミが熱心に小沢新党を叩いているのを見ると、「そんなに小沢が怖いか」とツッコミたくなるというもの。

マスコミによる小沢新党叩きは、今話題の「いじめ」のようなものである。

学校におけるいじめで、実際にいじめが行われている状況で、他の生徒が見て見ぬふりをしていて、後の調査で初めて「実は自殺の練習が行われているのを見た」なんてのが出てくるのは、いじめっ子に手を差し伸べると自分もいじめられる、というような構造があるからだ。

みんなの党や維新の会が、「小沢新党とは提携しない」と一所懸命言うのは、同じことである。今この状況でうっかり肯定的なことを言おうものなら、いじめられる、つまり、これまで良いイメージを作ってくれたマスコミが手のひらを返したように攻撃してくることを恐れているのだ。

橋下がにわかに野田をほめたりするのも同じことである。とりあえず、いじめられっ子に手を差し伸べたりせずむしろいじめっ子と仲良くする方が有利なのは、中学校と同じだからだ。

実際、小沢新党とみんなの党、維新の会の政策が似通っていることは、松原聡が指摘するまでもない。みんなの党や維新の会がやりにくく感じているのは確かである、実際、表向き過激な政策で一番目立っているのは小沢新党である。

橋下が「消費税を地方税に」なんて言っているのは、肝心の問いから逃げているだけである。しかし、来る総選挙では、消費税率引き上げに賛成か反対か、明確にしなければならなくなるだろう。

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http://blogos.com/article/43046/?axis=g:0

<私の住む地域の小選挙区は、どこにでもあるような民主対自民+共産の構図だ。
2009年は民主がもちろん勝ったが、この議員は松下政経塾出身がウリというトホホな経歴で、それでも目をつぶって投票したのは、一応、小沢一郎を支持する若手グループに属していということも大きかった。
が、その後、この民主党議員が小沢一郎と行動を共にすることはなかった。要するに小沢グループに仕込まれていたユダだったことが確定したわけで、かといって自民候補はこの民主議員に輪をかけてトホホであるし、残念ながら私には日共に投票する器量もまたない。

つまり行き場がないのである。となると選挙そのものへのモチベーションが下がることになる。
そして、そういう人は決して少なくないのではないかと私は思う。
なぜなら、そもそも2009年に民主を大勝させたのは、圧倒的な浮動票だったのだから。
その浮動票が動かない=投票率が下がれば、企業、労組、宗教といった固い組織を持つ候補が有利になる。そして、低投票率の中で絶対得票では大したことのない組織候補が勝ち、霞が関と結託して国政を動かしていく、、、
これは考えてみれば恐ろしい話なのだが、一方で民主潰し(小沢外し)の最大の眼目はここにあったと私は思っている。選挙結果を左右する浮動票が選挙に対する関心を失ってくれることを、民自公の連中は切に願っていることだろう。

これに対して小沢は再度、新党を作ることで対抗した。
少し前に朝日の天声人語は「小沢は壊すことは得意だが、作ったものはない」というようなことをシラッと書いていたが冗談ではない。1993年に細川連立政権を作り、民主党では鳩山政権を作ったのである(本当は小沢政権になるはずだったが)。
自民党霞が関による一党独裁が長く続いたこの国で、この20年間に二度も政権交代を実現した政治家は他にいない。
民主党では前原が偽メール事件でボロボロにした後の代表に就任し、参議院選挙、東京都議選衆議院選挙と、あの政権交代のムーブメントを作ったのは小沢であって、たとえば野田には絶対にそんなことはできなかっただろう。

だから、、、
マスメディアは苛立つのである。
これだけぶっ叩いても、まだ小沢は諦めないのか、、、と。

もちろん、新党「国民の生活が第一」の前途が多難であることは間違いない。
結党に参集した議員の中に、まだまだユダが紛れ込んでいる可能性は十分にある。
そしてなにより、もはや法治国家の体をなしていないこの国では、今後も小沢のみならず、グループの有力議員に対してメチャクチャな冤罪をでっち上げてくる可能性もある。
リーガルマインドのかけらもない検察による不正行為が明らかになってもなお、小沢に対して「刑事裁判の被告」と決め付ける朝日の論調を見ていると、「このレッテルを貼るために、検察官役の弁護士は控訴したんだろうな」と私は思う。>