件のM氏のScientific Reports誌論文
林貴志twitter経由です。
http://twitter.com/tkshhysh
いろいろ面白い情報が出てきます。
https://www.ipscell.com/
https://www.ipscell.com/2012/10/moriguchi-also-claimed-harvard-irb-approval-for-human-studies-in-multiple-2012-published-papers/
<Given that Harvard says unequivocally that the reported iPS cell transplants on Moriguchi’s poster did not receive Harvard IRB approval, a logical question is whether the studies in this 2012 published paper received or did not receive Harvard IRB approval.>
東京大学のプロフ。
http://www.ip.rcast.u-tokyo.ac.jp/member/moriguchi/moriguchi_01.htm
山中教授に研究費が集中することをぼやいた新聞記事コメント。いわゆる「魚拓」ですが。
http://web.archive.org/web/20091113000105/http://osaka.yomiuri.co.jp/science/news/20091108-OYO8T00275.htm
<山中教授への一極集中投資を疑問視するのは、米ハーバード大研究員も務める東京大の森口尚史特任教授だ。「iPS研究には、化学や数学など幅広い分野の研究者の参画が欠かせない。限られた研究者に資金が集中すれば、研究の遅れを招く」>
この人、理系としては普通なのかもしれませんが、相当たくさんの論文を書いています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=moriguchi%20hisoshi
Nature誌の下位ジャーナルらしきScientific Reports誌にもあります。例えば、
http://www.nature.com/srep/2012/120727/srep00537/pdf/srep00537.pdf
「Received 12 April 2012 Accepted 16 May 2012 Published 27 July 2012」なんてのを見ると、うらやましくなってしまいます。投稿から採択まで3カ月余りなんての経済学ではありえません。
この早さが、標準的な理系の研究者が平均的に大量の業績を持つ一つの理由でしょうが、同時に、問題もある気がします。
ひょっとしたら、最悪のシナリオとして、この森口氏のこれまでの論文は、ほとんどすべてウソだったことが考えられます。
このScientific Reports論文の主著者(corresponding author)は森口氏です。しかし、残る3人の共著者って、実在するのでしょうか。
このChifumi Satoという人は、さきほどの東大プロフで、このように出てきます。
Hisashi Moriguchi, Chifumi Sato: "The socioeconomic evaluation of strategical treatment of chronic hepatitis C with interferon. "Japanese Journal of Health Economics and Policy 1996;3:169-179.
どう見ても医療経済学の論文ですよね。この人たちが、何か、手術にかかわるような研究をするとはとても思えません。
大胆に推測すれば、これらの共著者たちの名前は、森口氏が勝手に書いているだけで、このScientific Reportsに掲載された論文とは何の関係もないのかもしれません。
仮にこの推測が正しければ、Scientific Reports誌って、大丈夫なのでしょうか?大いに権威を傷つけられ、信用を失ったことにならないのか。
Natureを冠していないとはいえ、いちおうNature誌の下位ジャーナルがこういう体たらくで、他のジャーナルはどうなのか。
このScientific Reports誌の、丁寧な説明ページが日本語であります。
http://www.natureasia.com/ja-jp/srep/journal-information/faq
投稿した時に、\142,500(消費税別、かなり高い!)を払うことになっている。となると、金を払う代わりに査読は甘い、という印象を受けてしまいますね。
それにしても、実際に手術なんかさせてもらえない人物が、こんなもっともらしい、少なくとも見かけ上きちんとした手術結果の論文が書けてしまう世界、というのが不思議に思えます。
そもそも、東大など、森口氏が場所と患者の提供を受けたと主張する大学は、記者会見すべきでしょう。そうすればスッキリするはずだ。森口氏も、証拠は日本にある、と言っているのだから。
それから、最大の恥をかかされたのは、読売新聞ではないですか。人事の大移動が必要なレベルの失態でしょう。
http://twitter.com/tkshhysh
いろいろ面白い情報が出てきます。
https://www.ipscell.com/
https://www.ipscell.com/2012/10/moriguchi-also-claimed-harvard-irb-approval-for-human-studies-in-multiple-2012-published-papers/
<Given that Harvard says unequivocally that the reported iPS cell transplants on Moriguchi’s poster did not receive Harvard IRB approval, a logical question is whether the studies in this 2012 published paper received or did not receive Harvard IRB approval.>
東京大学のプロフ。
http://www.ip.rcast.u-tokyo.ac.jp/member/moriguchi/moriguchi_01.htm
山中教授に研究費が集中することをぼやいた新聞記事コメント。いわゆる「魚拓」ですが。
http://web.archive.org/web/20091113000105/http://osaka.yomiuri.co.jp/science/news/20091108-OYO8T00275.htm
<山中教授への一極集中投資を疑問視するのは、米ハーバード大研究員も務める東京大の森口尚史特任教授だ。「iPS研究には、化学や数学など幅広い分野の研究者の参画が欠かせない。限られた研究者に資金が集中すれば、研究の遅れを招く」>
この人、理系としては普通なのかもしれませんが、相当たくさんの論文を書いています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=moriguchi%20hisoshi
Nature誌の下位ジャーナルらしきScientific Reports誌にもあります。例えば、
http://www.nature.com/srep/2012/120727/srep00537/pdf/srep00537.pdf
「Received 12 April 2012 Accepted 16 May 2012 Published 27 July 2012」なんてのを見ると、うらやましくなってしまいます。投稿から採択まで3カ月余りなんての経済学ではありえません。
この早さが、標準的な理系の研究者が平均的に大量の業績を持つ一つの理由でしょうが、同時に、問題もある気がします。
ひょっとしたら、最悪のシナリオとして、この森口氏のこれまでの論文は、ほとんどすべてウソだったことが考えられます。
このScientific Reports論文の主著者(corresponding author)は森口氏です。しかし、残る3人の共著者って、実在するのでしょうか。
このChifumi Satoという人は、さきほどの東大プロフで、このように出てきます。
Hisashi Moriguchi, Chifumi Sato: "The socioeconomic evaluation of strategical treatment of chronic hepatitis C with interferon. "Japanese Journal of Health Economics and Policy 1996;3:169-179.
どう見ても医療経済学の論文ですよね。この人たちが、何か、手術にかかわるような研究をするとはとても思えません。
大胆に推測すれば、これらの共著者たちの名前は、森口氏が勝手に書いているだけで、このScientific Reportsに掲載された論文とは何の関係もないのかもしれません。
仮にこの推測が正しければ、Scientific Reports誌って、大丈夫なのでしょうか?大いに権威を傷つけられ、信用を失ったことにならないのか。
Natureを冠していないとはいえ、いちおうNature誌の下位ジャーナルがこういう体たらくで、他のジャーナルはどうなのか。
このScientific Reports誌の、丁寧な説明ページが日本語であります。
http://www.natureasia.com/ja-jp/srep/journal-information/faq
投稿した時に、\142,500(消費税別、かなり高い!)を払うことになっている。となると、金を払う代わりに査読は甘い、という印象を受けてしまいますね。
それにしても、実際に手術なんかさせてもらえない人物が、こんなもっともらしい、少なくとも見かけ上きちんとした手術結果の論文が書けてしまう世界、というのが不思議に思えます。
そもそも、東大など、森口氏が場所と患者の提供を受けたと主張する大学は、記者会見すべきでしょう。そうすればスッキリするはずだ。森口氏も、証拠は日本にある、と言っているのだから。
それから、最大の恥をかかされたのは、読売新聞ではないですか。人事の大移動が必要なレベルの失態でしょう。