救助された渡辺さん「行く気満々だった」

まあ、そうでしょうね。朝の時点で行くかどうかという議論があったはずだ、などと言うのは、登山のリアリズムを知らない議論か、為にする議論ではないか。

テレビで専門家(山岳会の爺さん)まで付和雷同して「予測できたはずだ」などと言っているのは、私は、防衛反応のように感じました。そう言っていれば批判はされませんからね。

「行く気満々」の登山客を抑えるためには、よほど強い降雪予報の情報がなければダメでしょう。そういうものはなかったのではないかと思う。

それより私は、山中で止まって救出を待ったのが結果的に災いしたのではないかと思います。中国人客1名は、止まらずに下山したそうではないですか。

出発は8時で、雪が降り出したのは午後1時。5時間すでに歩いているから、ある程度疲労していたとはいえ、相当の距離を来ていたわけです。引き返すタイミングではなかったでしょうね。

朝8時出発というのは、少し遅い気がする。天候悪化の前に下山しようという計画なら6時ぐらいに出発すべきだったのでは。そうしていればおそらく遭難はなかった。

団体登山というのは、いざ遭難すれば単独行より危険かもしれませんよ。

団体というのは、何か事故があればみなで助け合えばよい、という考えになりがち。だから少々危険を感じても出発してしまう。

これに対し、個人は「ひとりでは怖い」という感覚が常にあるから、行動が慎重になるものです。

そもそも、団体だから、異国の、観光地でもない山に来ているのでしょう。ひとりではこんなところ来ない、よほど力量と自信のある人以外は。

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http://mainichi.jp/select/news/20121107k0000m040082000c.html

<渡辺さんは当日のダウンジャケットとフリースを着用。防寒対策について「(事前に示された)必要なものはそろえてきた」と話した。また、ガイドの行動にも疑問は感じなかったという。しかし「ツアー会社に言いたいことは」との記者の問いには無言だった。

 病院に駆けつけた会社員の夫、明さん(59)によると、渡辺さんは富士山などの登山経験があり「アミューズトラベル」(東京都千代田区)が企画したツアーにこれまで日本では5回前後、海外では2回参加。中国は初めてだった。明さんは「日中関係がぎくしゃくしたので、そちらの危険を心配しており、天候は気にかけなかった。(妻は)前から万里の長城件に行きたいと希望していた。単なる観光とは違う100キロを歩くツアーに魅力を感じ参加した」と話した。>

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1107&f=national_1107_006.shtml

<中国・河北省の万里の長城で日本人観光客4人が遭難、3人が死亡した事故で、同行した中国人ガイドが当時の状況を語るとともに、犠牲者に謝罪した。中国新聞社が伝えた。

  救助されて同省懐来県の病院で治療を受けている中国人ガイドの明平銘さんは中国新聞社のインタビューに対して、遭難当時の様子を克明に語った。

明さんは、日本人観光客4人と中国人観光客1人とともに現地時間3日午前8時に北京市の門頭溝から登山を開始し、昼ごろに同県の瑞雲観にある長城に到着した。しかし、午後1時ごろから降り始めた大雪で周囲はあっという間に白くなり、身動きが取れない状態に。日本人男性の衰弱が激しかったために、中国人観光客が先に下山し、救助を求めた。

  夜になると雪はさらに強くなり、救助隊を待つ間、一行は寄り添って暖を取っていたが、男性の呼吸が停止。心肺蘇生を試みるも及ばなかったという。夜が明けても救助が来ないことに業を煮やした明さんは4日午前8時ごろに自力での下山を決意、昼ごろに村に到着する途中で救助隊と遭遇した。救助隊は遭難者の居場所が特定できず、捜索が難航していたという。

  明さんは「3日に大雪が降るのは知っていたが、夜から降ると思っていた。まさか昼に急に降り出すとは思わなかった」と語るとともに、3人の命が失われたことに対して深い謝罪の意を示した。>

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp1-20121107-1043460.html

<病院のベッドの上で、渡辺さんはときおり眉間にしわを寄せながら、遭難事故を振り返った。「記憶がはっきりしない」と疲れ切った表情を浮かべながらも「日が暮れて前に進むしかなかった」と、か細い声で答えた。

 当日の天候については「ガイドや添乗員から『下りるころには雪になるかもしれない』という予報は聞いて知っていた」という。予報を聞いた後も参加者から登山を中止したいとの声はなく、計画通り開始した。「(登り始めたころは)小雨だった。みぞれになり雪になり、日が落ちるのが早くて暗くなったころに吹雪になったと思う」。>

http://news.tbs.co.jp/20121106/newseye/tbs_newseye5175162.html

<中国の万里の長城で日本人観光客3人が死亡した事故です。救助された渡辺美世施さん(59)が入院先の病院で取材に応じ、出発を決めた経緯や遭難時の状況について語りました。

 「(Q.手は凍傷の状態ですか?)そうですね」(渡辺美世施さん)

 凍傷のせいか、赤くなった指先がゆっくりと曲がります。万里の長城で起きた遭難事故で日本人観光客として唯一生き残った、渡辺美世施さんが当時の状況を語りました。

 「暗くなったくらいで吹雪になってきたのかなと思うが・・・これが遭難ということなのかなって感じ」(渡辺美世施さん)

 救助された日本人女性らを乗せた車が警察の車に誘導されて病院に到着しました。6日、遭難現場近くの病院から市街地の病院に移された渡辺さん。ストレッチャーの上では目を閉じたままでしたが・・・。

 「(Q.対面して今の気持ちは?)元気な姿を見てほっとしています。安心しました」(渡辺美世施さんの夫)

 日本人3人の命を奪った52年ぶりの大雪・・・。それは渡辺さんたちにとっても予想外の出来事だったといいます。

 「(Q.雪が降る天気予報は知っていた?)それはなかったみたいですね。降りるころには雪になるかもということは聞いていた。(Q.誰が出発の決断をした?)決断というか、みんな行く気満々ですから。どなたとか・・・とにかくあと1日でしたので」(渡辺美世施さん)

 事故が起きた日は、14キロをおよそ5時間にかけて歩く予定でした。雪が降ってきたときには、すでに引き返せる状況になかったといいます。

 「もう引き返せない。本当に降りる直前のところですから。引き返したらもっとひどい」(渡辺美世施さん)

 事故の原因はどこにあるのでしょうか。羽田国土交通大臣は、日本の旅行会社に立ち入り検査をする考えを示しています。(06日23:21)>