国債本位制では、確かにない

とはいえ、通貨の価値(インフレ率)が国債価値に連動する、という超有名な研究があるからね。

http://www.minneapolisfed.org/research/QR/QR531.pdf

ただ、「中央銀行が本当にヘリコプターマネーを行うと、通貨発行の見合いとなる資産が獲得できないから自動的に債務超過に陥る」という議論は、ちょっとおかしい気がする。

国民が、日銀が空からばらまいた紙を持って銀行に行き預金すると、いずれ日銀に日銀券が還流するわけだが、その時点では当座預金が増えるだけですよね。

問題は、それがあらためて引き出される時に何が起こるかだが、日銀券を渡せばいいだけの話では? FRBがデイヴィス氏に対して行ったように。

そもそも、通貨発行の実物コストは、ゼロでしょ。だからフリードマン・ルール(名目金利=ゼロ)が最適となるわけです。コストがゼロのものを発行したら、即座に発行体が破綻する、という議論はおかしくないか。

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http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20130107

<現在の日米をはじめとする諸国で通用している紙幣は不換紙幣です。不換紙幣はその名の通り、元来何ものとも換えることを保証しないわけですから、最初の日経の解説にある、”金融機関は「借用証書」のお札を日銀に持っていけば、日銀から資産を返してもらえる”という記述は誤り、ということですね。
 そもそも、日銀がもつ国債などの資産が直接に日銀券の価値の裏付けなのであれば、日々変動する国債価格とともに日銀券の価値が変動することになってしまいます。 ここでの議論のような小難しいことを考えてみたこともない市井の人たちは、「1万円の価値と政府の借金証書である国債の価値の間には直接何のつながりもない」ことを体感的に知っています。もしそうでなければ、我々市井の人々も、国債相場を日々血眼になって見ていなければいけません。 

 日銀券にしても、米国連邦準備券にしても、不換紙幣の価値の源泉とは、一考すれば誰にも分かる通り、それらが交換を保証する通用する地域での交換される商品・サービスが、額面価値に見合うだけ十分あることです。
 そこを日銀や上の日経新聞コラムニストは、国債本位制紙幣でもあるまいに、国債の価値が紙幣の価値を直接担保する、などと空論を述べるため、守備範囲外であるはずの財政政策に関する国債について「国債の過剰発行はいけない」といった、国民生活を犠牲にしてでも国債価値を守るという本末転倒な妄想が本石町*6付近で湧き起こるのでは、と思います。>