三浦さんエベレスト登頂成功理由

これNHK記者の言っていることがわかりにくいが、要するにこういうことだろう。今回の三浦さんの作戦は、一言で言って、体力温存に尽きる、

まず第一に、三浦さんは、(記事には書いてないけれど、おそらくヘリコプターで)ベースキャンプ入り。ここで酸素ボンベを使い、ゆっくり高度順応。普通はエベレスト街道を10日間ぐらいかけて歩いてベースキャンプに入るが、これだとかなり体力を消耗する。

と書いたところで、三浦さんは歩いてベースキャンプ入りしたことが判明。とするとこの記事の書き方はなおわかりにくいな。ポイントは、一度も下山せずに高所で酸素ボンベを使いまくったことなのに、5300メートルのベースキャンプで使ったことを強調するのは意味不明。

まあ、NHKの記者も「日本語でOK」と言いたくなるやつが多いということでしょう。

第二に、登り始めたら一度も下山せず一気に登る。通常、エベレスト登山では、標高5300メートルのベースキャンプから7500メートル前後の第3キャンプまで登ってから、いったんベースキャンプまで下り、再び登って山頂へ、という行程を取る。これまた文字通り実行したらへとへとである。しかし、今回は、一度も下りず、その代りキャンプの数を増やしてゆっくり山頂を目指した。

これら通常とは違う登り方について、専門家の議論はないものかと探してみたが、知恵袋等でも特に見つからない。

下りは危険なアイスフォールを回避して、6500メートルの第1キャンプからヘリコプターで下山したようだ。これについては若干批判がある。しかし、私は「下りも自分の足で歩いてこそ登頂」的な原理主義的姿勢は取りません。

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http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2013_0524.html

<さらに、山本教授が注目しているのが、80歳という年齢に応じた登山計画です。標高5000メートルを超えるヒマラヤ登山では、高山病にかからないよう、空気の薄い高所に徐々に体を慣らしていく必要があります。これまでヒマラヤ登山の常識では、空気の薄い高所に登ったら、いったん空気の濃いところまで下りてきて休み、次に行くときは少し高いところまで登ってまた同じことを繰り返すことが必要だと考えられていました。

しかし、この方法は体力の消耗が激しいため、三浦さんは発想を転換し、いったん下りる代わりに標高5300メートルのベースキャンプで酸素ボンベを使って体を休め、体力の温存を図りました。実際、三浦さんは、エベレストへの登山中、NHKの電話インタビューに対し、「70歳、75歳のときより調子がいい」とたびたび語っていて、常識にとらわれない登山計画が功を奏していることがうかがえました。

これについて山本教授は「三浦さんは自分の体力を知り尽くし、それを上手に使って登っている。80歳という年齢を十分に考慮した登山計画で、高齢者の高所登山の新しい形を示したと言える」と話しています。>