乗鞍岳
高山(7:00)→ほおのき平(7:50-8:00)→畳平(8:40)→肩の小屋(9:10)→剣ヶ峰(10:15)→朝日岳(10:50)→肩の小屋(11:35)→畳平(12:10-12:50)
飛騨高山で前泊しました。3500円の黒毛和牛5級のモモ肉ステーキです。
早朝、一番のバスでほおのき平に向かいます。ここは、乗鞍スカイラインへの分岐です。途中、車窓から見える槍・穂高、笠ヶ岳、焼岳の眺めは絶景でした。天気が良かったのは朝だけで、畳平はすでに相当曇っていましたし、剣ヶ峰山頂付近もガスに覆われてさんざん。
ここは畳平からの展望がそもそもイマイチで、手近な展望台まで歩いて登らなければならないというのが、スイスあたりの高所に比べて不利です。そもそも、駐車場を作るために広い土地が必要で、ある程度低くて平らな土地が選ばれるので、どうしても展望が悪くなる。スイスなら、鉄道かリフトで尖鋭なピークにそのまま乗り入れることができるので、展望が良い。
歩き出すと、いきなり注意書きが。「山頂付近にだいぶ残雪があるのでアイゼン必要」という脅し。
肩の小屋まで30分、舗装道路を歩き、そこから先が本格的登山道。それほど傾斜はきつくない。
半分ほど登ったところに、かなり大きな雪渓が残っており、トラバースしなければなりません。幸い、雪はかなりゆるんでおりアイゼンの必要はありませんが、ストックがあった方が安心して歩けそうです。
山頂付近に二俣があり、左で登って右に下りてくるのが正規のルートだということを後で知りましたが、この日はまだ登山道の整備が完了しておらず、ペンキ矢印は左にたくさんついているのに、ひもで通行止めになっていたりして、わかりにくい。とりあえず左に進みましたが、これが大失敗。
しばらく行くと、山頂小屋開きの準備をしています。その向こうは雪渓になっていて歩きにくそうなので、ザックをデポして右側のやや崩れかかったザレた道を登ります。ところがここがまさに「通行禁止」。しかし、すぐ上に、おそらく分岐から右に入る道が見えるので、簡単に乗り越えてしまいました。山頂の鳥居はすぐ。
山頂は狭く、ガスっていて展望も悪いので、すぐに降ります。
鳥居をくぐって進むと、向こうからおじさんが来る。私はザレた道を下りてデポしたザックを取りに行きます。これが悪かった。向こうから近づいてくるおじさんが激怒して「あなた、どこ歩いてるんです!通行禁止ですよ」と絶叫。
とはいえ、怒られても荷物は取りに行かなければならないので、好きに降りようとしたら、さらに怒鳴られる。「すぐそこをまっすぐ降りなさい!」「そっちじゃなくて、こっち!」「雪の上の歩き方がおかしい。靴のかかとにミゾがついているでしょう。それに体重を預けて!」とさんざん。
このおじさん、指導員か何からしく、山小屋の準備をしている人も頭が上がらない様子。
結局、準備中の山小屋の前を通ることは許されず、それを左に巻くルートに誘導されたのですが、これがかえって危険でした。だって、途中で道がなくなり、登山道に戻るため崖を攀じ登らなければならなくなった。どう見たって今日一番危険な状況でした。危険なことをやらせる指導員って、何?
これが、おじさんに怒られて回り道させられた後に振り返って撮った写真。紅白の棒の少し先を登っただけですが、そんなに危険に見えますか。
このおじさんの写真を撮ってさらせばよかったんでしょうが、そんな余裕はありませんでした。
これが問題の分岐。確かに黄色いペンキは右を差していますが、「乗鞍岳」という表示の横にも白い矢印が左を指しています。赤いペンキ矢印も左側にたくさんついています。
意気消沈して隣の朝日岳の山頂で休憩。
帰りの雪渓トラバースは、慣れたせいか、それほど緊張しませんでした。40分ほどで肩の小屋まで下りました。登るかどうか逡巡している人たちがいたので、「アイゼンは要らないが、ストックがあると安定する。山頂手前の分岐では右に進むように。そうしないと怖いおじさんに怒られる」とアドバイスしました。ストックを持っていない老夫婦は断念して戻っていきました。
林道で見かけたライチョウ。つがいで見かけるのって、けっこう稀なんです。
畳平近くに咲く花。名前はわからず。
畳平バス停から見える池。