コルティナからオルティセイへ(9月4日)

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(夕日に照らされた荘厳で神秘的なサッソルンゴ)

9月4日(土):CortinaからOrtiseiへ。

今日は、バスでDobbiacoまで行き、電車に乗り換えFortezzaまで行き、国鉄でPorte Gardenaまで乗って、最後はバスでOrtiseiへ。全部で4時間の行程である。大した距離ではないのにこんなに時間がかかるのは田舎だからであろう。

10:10のDobbiaco行きのSAD社のバスに乗る。切符はバス車内で買う。Fortezzaまで買いたいと言ったが、売ってくれない。Dobbiacoまで4ユーロ支払う。

10:55にDobbiaco着。電車は55分発なので、時間に余裕はない。ところがここは無人駅。自動販売機で買うのだが、そもそもどの機械で買えばよいのかわからない。3人ほどまごまごしていたら、親切なお姉さんが現れて老人客の操作を手伝ってくれた。Fortezzaまで7ユーロ。老人客が終わるとお姉さんは立ち去りそうになったが、お上りさんらしさを見せて無理やり手伝ってもらう。ホームのほうから構内放送が聞こえる。嫌な予感。案の定、電車は出てしまった。

ホームに出る。1番線、2番線とあるが、そもそもどちらのホームかわからない。電光掲示板は2番線にしかないので、とりあえず地下道をわたって行ってみた。紙の時刻表が貼ってある。次のは11時25分。すぐだ。それにしてもホームがわからないし、電光掲示板の表示は消えたままなので、もう一度駅舎に戻って確認することにする。

駅舎で小さいスクリーンの時刻表を発見。なんと次のFortezza行きは11:55.11:25は平日のみの運行で、今日は土曜日。1時間ホームで待つことに。これで本日の行程は少なくとも5時間に。これならFalzarego峠までDolomitiBusで行き、SAD社に乗り換え、反対方向からOrtiseiに行ったほうが早かっただろう。

それにしてもこの駅はちょっとおかしい。Innchen行きとFortezza行きは反対方向のはずなのに、すべての電車が2番線発車となっている。すべてにおいて旅行者に不親切すぎる。
ガルダナ渓谷への最寄りの駅はPonte Gardanaである。Fortezzaでイタリア国鉄に乗り換えて20分ほどで着いた。電車から降りるときにトラブル。ホーム側のドアが鎖で鍵かけられており開かないのである。当然パニックだったが、一人の乗客が声を上げて発車しないようにしてくれた。車両内を移動してなんとか降りたが、客が助けてくれなかったらBolzanoまで行ってしまっていただろう。とにかく田舎の鉄道というのはさんざんだ。

Ponte Gardena駅で30分間待ち、バスでOrtiseiへ。30分ほどで着く。結局、Cortinaから5時間半かかった。ホテルはバスターミナルからやや離れており、10分ぐらい歩く。不便と思ったが、設備は最新でピカピカ。しかも夕食付!

最初予約した時は素泊まり1泊で95ドルとは高い、と思ったけれど、実際に夕食に行ってみて仰天。イタリアンのフルコースである。これは料理だけで40ユーロ程度の価値がある。田舎の食堂という感じではなく、都会の格式あるイタリアンのように、スーツを着たギャルソンがサービスを仕切っていた。これなら素泊まり分は55ユーロとなり、前日のCortinaのホテルと同じである。しかも、設備はこちらの方がはるかに上で、お得感が最高だ。

このホテル、Hotel Luna Mondschienはおそらく私がこれまでに泊まったホテルの中でベストワンである。

夕食では飲み物は別料金だが、2日目の夜はビーフステーキだったので、少し高めの赤(36ユーロ)を注文した。ところがこの日はハードな山歩きをしたので体調が悪く、せっかくのワインをボトル半分ほど残してしまった。もったいない、と思ったのだが、なんと翌日、残りがキープされていて夕食に出てきたのである!

こんなサービス、こちらでは当たり前なのだろうが、日本の温泉旅館あたりではあまり想像できないのではないだろうか。

3日目の夜、翌日は暗いうちに発つので今夜のうちにチェックアウトしようとしたら、明日の朝食の代わりとして弁当(ランチパック)を作ってくれ、部屋まで持ってきてくれた。パニーニ+果物+アイスティーのセットである。

とにかく、いちいちサービスが行き届いていて感動の連続。これで1泊たった1万円なんだから、日本の旅館も見習うべし。

さて、この日はバスでSelvaまで行ってみたが、見るところはなし。戻ってきて、ロープウェイでアルペ・ディ・シウジまで上がる。乗り物を降りたら、そこに絶景が。荘厳なサッソルンゴは、本日の旅程のトラブルを忘れさせてくれた。