快晴のマッターホルン

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(Riffelseeに映る「逆さマッターホルン」)

9月9日(木):コルナーグラートからのハイキング

目が覚めたのは7時40分。窓から名峰を見て仰天。蒼天とのコントラストも鮮やかに、マッターホルンはそびえていた。

急いで朝食をとり、チェックアウトと荷物預けを済ませ、9時ごろホテルを出て登山鉄道に乗る。車窓からも驚異的な山容に感動する。

10時近くにコルナーグラート着。ここは氷河見物が目的であるが、マッターホルンの絶景も、登山鉄道二駅間を歩いて下ることで満喫できる。

さっそく下山開始。最初のうち、歩いている人は非常に少ない。時々、後ろからマウンテンバイクの若者に抜かれる程度。

歩行者が道を譲るのもおかしなものだが、バイカーはかっこいいのでとりあえず許してもいい気持になる。こちらでは山をバイクで下るのが文化であるようだ。

下りは結構急な坂道である。一つ目の駅、ローデンボーデンを過ぎたあたりにあるリッフェルゼーにさしかかったところで、ちょっと緩やかになった。湖面に映る有名な「逆さマッターホルン」が見られるところだ。どうしたことか、急に後ろから日本人の大群が追いついてきた。中高年、おばさん中心のツアー一行である。ローデンボーデンまでの急な坂道を避け、電車を途中下車してハイキングを始めたのではなかろうか。騒々しいのは確かだが、ガイドの解説をタダで聴けるのは必ずしも損ではない。湖面のマッターホルンがきれいに見えるポイントを教えてくれるのだ。

とはいえ、大集団と一緒になると、写真撮影でも邪魔になり不便。みんな自分を撮ってもらおうとして湖岸に立つので、風景を撮ろうとして関係ない一般人も撮らなくてはならなくなる。

結局、大集団をやり過ごして、後から落ち着いて一人で写真を撮ることにした。

撮影スポットは二ヶ所あり、有名なリッフェルゼーの他、少し下にある小さな池でも「逆さマッターホルン」を見ることができる。しかし、後者は湖岸が岩でゴツゴツしており、大きな石が一緒に写ってしまうのでやや興ざめである。リッフェルゼーでも、風が出てくると湖面の鏡像がゆらぎ、きれいな写真になりにくい。

「逆さマッターホルン」を撮っているあたりですでに少し雲が出始めていた。ハイキングの終点リッフェルゼー駅に着いたころには、もう中腹から上は完全に雲に覆われている。ほとんど1時間も経っていないのにこの変化である。さすが、山の天候は変わりやすいとはよく言ったものだ。

リッフェルゼー駅のフードコートで昼食を取り、登山電車で山を降り、休む間もなく、Visp行きの電車に身を沈めた。Visp→Spiez→Interlaken ost→Grindelwaldと乗り換えて到着。

途中、Visp→Spiezは新幹線のように静かに走る快適な特急だった。スイス国鉄も、鉄道の近代化を進めている模様だ。

さてGrindelwaldだが、まず驚いたことに、日本人が多い。「日本語観光案内所」があり、日本人スタッフが常駐していた。『地球の歩き方』で紹介された中華料理店に行ってみたら、客は、おそらく全員日本人。雰囲気はまるで駅前の居酒屋だ。さすがに居づらかったので、Take awayにした。

ここのホテルHirschenは老舗のようだが、さすがに設備が古すぎる。久しぶりに、マットのスプリングがフニャフニャのベッドに寝させられた。しかも異常に狭い。私の身長ではまっすぐに寝ると足が着いてしまうのに、身体を斜めに横たえようとすると重心のかかった場所がへこんでしまう。とにかく寝苦しく、夜中に何度も起きてしまった。