くら寿司

私は番組を見ていないけれど、ちょっとメモ。

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http://www.mbs.jp/voice/special/201009/01_30043.shtml

特集です。

 この春、大学を卒業した人の就職率は60.8パーセントと深刻な就職難が続いています。

 そうしたなか、この春入社直前の研修中に内定辞退者が相次いだ外食チェーンがあります。

 「内定を辞退するよう会社に強要された」という当事者と「そんなことは一切ない」と主張する企業側。

 いったい何があったのでしょうか。

(中略)

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 合宿3日目の朝6時すぎ、一人ずつ最寄り駅まで送り届けられた。

 鈴木さんは途方にくれて、その足で母校の大学に向かった。

 詳細に事情を聞いた大学の就職支援センターは・・・

 <関西大学キャリアセンター 吉原健ニ事務局長>
 「これは、昨今問題になっている新卒切りに等しい、まさしく内定取り消しと同等のものだと判断したということです」

 そもそも就職内定は、正式な通知が届いた段階で法律上の雇用契約の成立を意味する。

 内定取り消しは、一方的な契約の解除にあたるのだ。

 大学側はさっそく「くら」に抗議した。

 これに対して大学に説明に訪れた人事担当者は「内定辞退は20人を超えるが、内定辞退届を書いたのはあくまで本人であり、辞退は自発的なもの」と主張したという。

 <関西大学キャリアセンター 吉原健ニ事務局長>
 「本人たちの自署による入社辞退願いが出ている。それを伝家の宝刀のように企業側の論理をふりかざしている。入社前、数日まえに20名を超える方が辞退をする会社の研修をやっているということを(人事担当者は)胸をはっておっしゃる。もう辞めないといけないという気持ちにもっていくような入社前の研修って一体何なんでしょう」

 鈴木さんや山田さんだけではない。

 VOICEの取材で他にも、中四国地方の私立大学は「一連の行為は大変悪質で内定取り消しと同等だ」とコメント。

 さらに別の私立大学も「辞退届を無理やり書かされたと聞いている。実質的な内定取り消しであると考えている」とコメントしている。

 少なくとも4つの大学の卒業者から同じような報告があがっていることがわかった。

 内定辞退届は本当に自発的に書かれたものといえるのか。

 自発的に書かれたとしても、入社1週間前にほぼ同じ内容で書くということは考えにくい。

 「くら」に取材を申し込むとこんな回答が返ってきた。

 「労働局から、これは内定取り消しや辞退の強要ではないと評価をいただいたんです。取材はお断りします」(「くら」からの回答)

 確かに労働局は「くら」を指導していない。

 しかし、担当部長は「くら」側を聴取したことを認めた上でこう答えた。

 <堺公共職業安定所 田ノ岡業務部長>
 「(調査に)限界あるのは私どもも認めるが、だからといってやり方、内容、また結果に対して『問題ないですよ』という対応は一般論として考えにくい」

 とはいえ、企業側と当事者の言い分が食い違う限り、事実の認定、判断は出来ないと
いうのだ。

 相次ぐ内定切りの問題を受けて、国は現在内定を取り消した企業名を公表している。

 だが、本人が自発的に内定を辞退したのであれば手の打ちようがない。

 取材班は合宿を取り仕切った人事担当者を直接取材したが、その場では何の回答も得られなかった。

 そしてその後、「くら」側から正式な回答が届いた。

 「当社として内定辞退を強要したという事実などは一切なく、ご本人の意志により辞退されることになったものです」(「くら」側の回答)

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http://www.pjnews.net/news/794/20101014_5

<【PJニュース 2010年10月14日】回転寿司・無添くら寿司を経営する株式会社くらコーポレーションが2010年10月13日に内定辞退強要報道への反論文書を公表した。

毎日放送「VOICE」は9月1日に「内定辞退のウラに何があったのか」と題し、「くらコーポレーション」の内定辞退を特集した。内定者に過酷な研修を課し、事実上の内定取り消しが行われたことを印象付ける内容であった。同種の内容はTBS「NEWS23クロス」でも10月12日でも放送された。

入社前合宿はアナウンサーでも大変な「くら社員三誓」を内定者に暗唱させるパワハラ的なものであった。研修の案内文書には「くら社員三誓を35秒以内で暗唱できていない場合は帰宅してもらいます。」とまで書かれてあった。

また、内定辞退届は人事担当者に「今から言う言葉を一言一句間違いなくしっかり書きなさい」と言われて書かされたという。内定辞退者は20人以上にもなり、給与の補償と精神的な慰謝料を求める裁判も係属中である。

これに対し、くらコーポレーションは「内定辞退を強要したなどという事実は一切なく、ご本人の意思により辞退されることになった」と反論する。

しかし、その反論には疑問がある。

第一に仮に本人の意思による内定自体であっても、入社直前に20人もの大量の辞退者が出たという事実は残る。本当に強要がないならば、それだけの人数から嫌悪されたことになり、企業文化・企業体質の問題を示すものである。

第二に反論文書では番組で取り上げられた内定辞退者の経緯について詳細に書かれているが、その中に不自然な発言がある。

番組では関西大学出身の鈴木氏(仮名)は内定自体届けを書かされた時の状況を以下のように語る。

「ゆっくりと白い紙とペンを渡されて、そのとき僕も頭が真っ白だったんですけど、のぞきこんで指でこう、紙をなぞるように『こう書いて』と一字一句指示されました。精神的に追い詰めるような言葉の雰囲気というか、言葉の重さだった」

これに対し、反論文書では以下のように述べる。

「本人は、研修中に3度にわたり辞退を申し出てきており、その都度弊社人事担当者が『頑張れ。君なら出来る。』『逃げずに乗り越えよう。』と励まし研修に復帰してもらいました。4度目の面談においても慰留しましたが、それでも辞意は固く内定辞退の手続きを行いました。」

問題は大学訪問時の以下の説明である。

「4月8日に関西大学を訪問した際には『辞退を強要する気など全くない。戻ってきてくれれば良い。』と大学に伝えましたが、ご本人は拒否されております。」

くらコーポレーションの主張では内定辞退は本人の意思となる。人事担当者の慰留を振り切り、本人が辞退を望んだことになる。それにもかかわらず、「辞退を強要する気など全くない」という発言が出てくることは不思議である。【了】>