ネットはテレビに勝てないのでは

これ、意見としては全く賛成なんだけど、政治を動かす力にはなりにくいでしょう。

今流している菅総理のインタビューだって、20時11分の時点でたった1923人だぜ。

http://www.ustream.tv/channel/videonews-com-live

世論はやはりテレビに動かされているでしょう。だって、視聴者の桁が違うもの。

もちろんネットでは、例えば小沢支持が多かったり、いろいろテレビとは違う傾向があるけれど、しょせん少数意見。

グーグルの検索だって、テレビで言及されたキーワードが上位独占らしいし。

ノブ様が大晦日の「朝生」に出ていたのは、彼が自分のネット番組に田原総一郎を招待した御礼でしょう。彼が、ネット第一の論客であることや、ジャーナリストを含むインテリ論調への影響力が大きいことは確かだが、世論を動かすとなると、やはりテレビに出なくちゃーね。

思うに、マスコミによる歪曲を避けたいなら、記者会見ではなくて、首相が直接国民に演説するテレビ番組があってもよいと思う。大昔の米国のルーズヴェルト大統領の「炉辺談話」みたいなやつ。あれはラジオだったけど。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88

<なお、当時最も浸透していたメディアであったラジオ放送を通して演説し、直接国民に訴えかけるスタイルを重視した、メディアを巧みに利用した大統領として知られている。ルーズベルトの行った毎週のラジオ演説は「炉辺談話 fireside chats」と呼ばれ、国民に対するルーズベルトの見解の発表の場となった。それはルーズベルトの人気を支え、大戦中のアメリカ国民の重要な士気高揚策となった。>

そういうのを、マスコミはそれこそ、「批判的なコメントを加えられたりすることを嫌がる権力者に都合のよい手法」と批判するのかもしれないが、首相が直接国民に語りかけることを批判する大義名分はないと思う。

少なくとも、みのもんたや古館一郎の番組が垂れ流す歪曲情報より、私は聴きたいけどね。

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http://news.livedoor.com/article/detail/5253428/

産経新聞の記事では、秋葉市長の選択に関して、

「市民からは「ネットを見られない人への説明責任を果たしていない」と批判の声が上がっている」(「広島市長「ユーチューブ」で退任説明 会見拒否に批判の声も」より)

とネットに接続できない人が、ユーチューブの映像を見れないことを問題視しているが、それを言うのであれば、新聞を買っていない人には、新聞記事に掲載されたからといって説明責任を果たしたことにはならない。同様に、TVを持っていない人はTVで記者会見の映像を流されても見れないし、だいいちニュースの時間にTVを見ていないと情報にアクセスできない。現在のTVがオンディマンド放送で無い以上、ネットのほうが見る機会は広がるといえる。

また朝日新聞では、

「橋元良明・東京大大学院教授(コミュニケーション論)は「編集されたり、批判的なコメントを加えられたりすることを嫌がる権力者に都合のよい手法」と分析。」(「秋葉・広島市長、退任の弁「ユーチューブで」 会見拒否」より)

としているが、権力者が流す一次情報を分析し批判することこそ、「社会の木鐸」たる新聞の役割ではないだろうか。

どのメディアで情報を発信するかの選択権は、情報発信者にあってよい。TVに出ないで、ネットで語りたい人はそうすればいいし、TV局は尖閣諸島の時のように、それをTVで流せばいいだろう。著作権の問題がどうなるかは知らないが、現役の政治家であれば公人として報道の対象とする事が保障されているのだから、何か支障があるなら、対応ができるように法制度などを整備すれば良いのではないか。また、質問の場がなくなることは問題であるため、そうした環境は必要になるが、それが記者クラブに限定されるべきとは思えない。

もはや情報の1次ソースをテレビ局・新聞社が囲い込むことは無理であり、報道機関は一次情報の伝達ではなく、その分析に注力するべきだ。>