医療費と公定価格

残念ながらこれは間違い。

価格を自由化したら医療費は天文学的に高騰するでしょう。これはアメリカの例を見れば明らか。

そもそも、医療費の高騰、というのは厚生労働省が国民向けに言っていることで、国際比較では、日本の医療費抑制の実績は世界に冠たるもの。自由価格のアメリカはとんでもないことになっている。

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1900.html

クルーグマンが「患者は消費者ではない」という議論を展開している。

http://www.nytimes.com/2011/04/22/opinion/22krugman.html?_r=1&partner=rssnyt&emc=rss

このアイデアは、古くはアロウ(1963)まで遡るそうです。

http://krugman.blogs.nytimes.com/2011/04/22/channeling-kenneth-arrow/

http://krugman.blogs.nytimes.com/2011/06/09/kenneth-arrow-was-here/

アロウの論文はこちら。

http://www.aeaweb.org/aer/top20/53.5.941-973.pdf

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http://news.livedoor.com/article/detail/5624969/

<医療費は多くの国で公定価格である。このことがおそらく問題を大きくしている。

すなわち、医療費が公定価格で安く抑えられすぎることによって我々は高度な医療を安価で受けることになれてしまった。あるいは、安価な医療費は豊かになった我々の健康への欲求を増大させ過剰な需要を生み出した。そして、多くの人のより高度な医療を安価で受けたいという需要が医療費全体を押し上げたと考えるべきだろう。しかも、そのうち多くは税金をもとにした国家による支出(あるいは日本などでは保険料)である。医療の高度化と豊かになった人間の長生きをしたい・いい医療を受けたいという欲求が医療費を過剰に押し上げているだけではないのだろうか?

そう考えるならば、医療費を公定することをやめて市場価格に任せることが役に立つはずだ。また、国家が医療保険を運営しそこに税金を投入して実際に患者が払う診察料を抑える必要もないだろう。そうすれば、医療に対する過剰な需要を抑えることができ、医療費の増大を抑えることができるのではないだろうか?>