河本2

私も、珍しくこの人の意見に賛成だな。

生活保護というのは大雑把にいって、65歳以上ならば無年金者、65歳未満ならば病気などの理由で働くことができない人に対する公的援助、ライフラインの提供ですよね。

おそらく河本の母についても、この二つの条件については満たされていたはずでしょう。そうでなかったら、河本の年収とは関係のない別の問題になる。

一般論としては、親族の年収だけを基準にして形式的に決めることは、場合によってはライフラインを断つことにつながり、危険と思います。

年収があるからといって、実際に援助するかどうかわからない。高齢者や療養者にそのリスクを負わせるのは酷でしょう。

もちろん、行政としては、親族に十分な経済力を持った者がいれば説得に努力すべきです。社会的に著名な人であれば、今回のように、政治家やマスコミに通報してもよいと思います。

ただ、一般的に親族の年収という形式的な基準を設けるのは無理と思います。

http://blog.livedoor.jp/hanatora53bann/archives/52022141.html

河本は、ここで指摘されているようなことが事実なら、かなり窮地に陥るでしょう。これまで、裕福であることを「演出」してきた経緯があったとしても。おそらく、他人が知るべき筋合いではない事情があるので、すべて説明する必要はないと思いますが。

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http://blogos.com/article/39478/?axis=g:1

<筆者はそんな基準が作成可能だとは思わない。だが、仮に出来たとしても、国は絶対に基準を明示できないはずだ。そんなことをすれば、その条件を満たす世帯が一斉に生活保護申請に走るから。「なかなか自分から手はあげないけれども、周囲がやるなら自分もやる」というのが美しい日本人の国民性である。

ついでにいうと、自営業者とか経営者は調整してその基準をギリギリ下回るようにするはずだから、毎度のことながらここでもサラリーマンは取られ損になるはず。

もっとも、ネットの本件に対する反応を見ていると、単に「儲かってるのに親に仕送りしない奴はけしからん」という声が多いようにも見える。要は倫理的な問題だということだ。だが、これもよくわからない。

そもそも社会保障制度とは、家族制度から個人を切り離して社会全体で面倒見ましょうという趣旨で作られている。家族制度が希薄化し、子供のいない人、独身者が増加したことへの対応策だ。だから「息子の年収」というしょーもないことで倫理的に云々いうのは矛盾している。

ちなみに、河本は所得税だけで1500万円ほどは払っているはずだから、(親が200万生保受給しているとすると)
1500-200=1300万円ほど社会に貢献していることになる。素晴らしい!

ちなみに年収500万円の平均サラリーマンは所得税20万円程度しか払ってないから20-200=-180万円。じゃあ「親が生保貰っている普通のサラリーマンはけしからん!」かというと、もちろんそんなことはない。

高額所得者からはガッツリとって、そうじゃない人からは相応に徴収する。でも、困った実家には等しいサービスを提供するというのが、社会保障制度である。

本来、個人に切り離して運用すべきところに、前時代的な「親族の年収」という要素が混じってしまっていることが問題の本質だ。抜本的な解決策としては、親族と完全に切り離して、ついでに年金と生活保護を一本化するくらいでいいのではないか。
(もう一歩踏み込んでBIでも構わない)

余談だが、国はあえて「親族による扶養」という基準の曖昧な要素を残しているというのが筆者の意見だ。基準があいまいなら、空気を読んで手を挙げないのが日本人の国民性。仮に手を挙げてきても「まずは親族を頼って下さい」という具合に、シカトする言い訳に使われているのではないか。>