鳩山家はどういう家か

同じ人ですが、これまたユニークな意見で、傾聴に値する。

そもそも、普天間問題迷走の原因が鳩山でないことは、最近亡くなった有名ジャーナリストの言うとおりですよ。

http://blogos.com/article/39113/

<鳩山氏の最低でも県外発言に対する評価は相変わらず、一面的で、きわめて差別的だ。マスメディアの論調は、鳩山氏の発言によって、普天間基地問題は迷走した、という評価だが、そうだとすると、あのまま、鳩山氏が最低でも県外発言をしなければ、迷走しなかったということになる。マスメディアの迷走しないとは、普天間から辺野古に基地の移転を進めるということだ。つまり、沖縄にさらに大きな基地負担を押しつけるということになる。完全な沖縄差別、沖縄蔑視の考え方ではないか。言葉では、基地負担の公平化を言いながら、実際には、沖縄への基地押しつけに賛同しているわけだ。言っていることとしていることが違うのは、鳩山氏ではなく、マスメディアではないか?>

沖縄への基地負担集中の大義名分を語れる日本人は、ほとんどいないでしょう。「寝た子を起こしたから悪い」というのはホンネであって、沖縄県民の前で言えることではない。

2010年6月に、鳩山が政権を投げ出したのは、首を挿げ替えれば、当時まだ国民に人気のあった菅直人を党の顔として戦って参院選に勝てるだろうと、姑息なことを考えたからでしょう。

あの時、私も、この決定を支持しています。今思えば恥ずかしい限りだ。鳩山が居座っていればもっと面白いことが起こったかもしれないのに。

もちろん、普通なら参院選で大敗した首相は辞任します。しかし、菅は大敗したのにやめなかった。

そもそも、鳩山家というのはユニークで、少なくとも天然政治記念物として半永久的に世襲させて残すべき政治家ですよ。

だって、あの長男は、何が悲しくてロシアに留学し、モスクワの交通政策なんぞ研究しているのです?

彼の代になった時に、ロシアで培った人脈を生かして交渉すること以外の目的は考えられません。

由紀夫が祖父一郎から継承した使命は、独自外交で北方領土を回復することです。そのためには、日米同盟を危うくすることをあえていとわないというのが、彼の政権の本質だったのです。

もちろん、日本が置かれている環境からして、そんなことは困難です。また、彼の政治技術も稚拙すぎた。

参院選を念頭に置いて「5月まで」などと口にしたのは愚かでしたが、参院選がもっと先ならもっと先の日付を言えばよいという問題でないことがわからなかったとすれば、政治家としての基本的資質に欠ける。

思えば、今、野田が見せている粘り強さ、着実さを由紀夫が持っていれば、もう少し別の展開がありえたかもしれません。しかし、アドバルーンを高く上げて大向こう受けを狙うという芸風なのは、世襲のボンボンゆえ、仕方ないか。

鳩山の政治力の源泉というのは、要するに金でしょう。母親からの巨額の「子ども手当」がなければ、党首になったりできなかったかもしれない。

とはいえ、鳩山家はあくまでも残して、今後の展開を見たいと思うんですよね。見た目、父以上に「宇宙人」っぽい長男が、どういう政治家になるか楽しみですし。

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http://diamond.jp/articles/-/18195?page=3

<そして、自民党にとって最も深刻なのが「沖縄基地問題」だ。2年前、鳩山由紀夫内閣が、「普天間基地移設問題」を決着できずに退陣した。だが筆者は、中長期的に見て、「決着先送り」は必ずしも民主党政権に不利ではないと論じた(第49回を参照のこと)。鳩山首相の動きで、自民党など「現行案」の見直しに反対してきた勢力に、都合が悪い状況が生じ始めていると考えたからだった。それは、沖縄基地問題の本質が「普天間基地移設」だけではなく、「沖縄全体の負担をどう軽減」するかに変質してしまったことだ。

 鳩山内閣が退陣せず、6月以降も交渉を継続させて、沖縄県の負担軽減への努力を続けていれば、「現行案がベスト」の一点張りの自民党は、沖縄県民に無為無策ぶりを批判されて、次第に追い込まれてしまっていただろう。鳩山内閣は政権を投げ出さず、もう少し粘り強く取り組めばよかったのにと、今でも思う。>