笠ヶ岳(2)

手前の丸みを帯びた山が焼岳。中央が乗鞍岳。奥が木曽御岳だと思います。
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朝日に照らされる笠ヶ岳。鮮やかです。
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笠新道分岐。ここから稜線を離れ下山します。写真を撮りながらのんびり歩いて、ここまで1時間15分もかかってしまいました。
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それにしても立派な形をしている。
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抜土岳のカールの底まで下ります。下り始めで少々迷いましたが、一度、ルートを見つければ、あとは白丸にしたがってどんどん下りるだけです。
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カールの底から見る笠ヶ岳
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杓子平。ここから樹林帯の単調な下りが始まります。稜線からここまでも1時間15分でした。
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笠新道を下るアドバンテージの一つは、穂高岳の西側の峻厳な姿をじっくり見られることです。奥穂から西穂への稜線のギザギザぶりから、このルートの厳しさがよくわかります。
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焼岳と乗鞍岳がくっきり見えてきました。
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1時間ほど下ると、谷底の河原が見えてきます。そこがゴールです。これなら残り1時間ほどだろう、コースタイムの3時間もかからないじゃないかと高をくくって下っていくと、なかなか到着しません。くたびれたので、木陰の適当なところに腰をかけて休憩すると、目の前にこの看板があって、愕然としました。
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これではまだ残り300メートル以上、1時間近くかかることになります。どういうことかと、今日初めてガイド本を取り出し、ルートを確認しました。すると、杓子平は標高2400メートルもあることがわかりました。私は、先程のカール下りは700メートルぐらいあって、杓子平は2000メートルぐらいだろうと思っていたのです。標高2400mの杓子平から標高1400mの登山口まで下ればだいたい3時間ぐらいかかります。ここまで700mくだるのに、だいたい2時間かかっており、計算が合っています。
 
実は本日、バスの時間に大きな制約があります。13時の平湯発富山行きに乗らないと、本日中に自宅に帰れないのです。そのためには11時56分の新穂高発平湯行きに乗らないと間に合いません。しかし、この1700m標識に辿り着いた時点ですでに10時を回っています。笠新道登山口から新穂高バス停までは3.5キロあり、速足で歩いても50分近くかかるはずです。とにかく、必死で下らなければなりません。
 
ようやく笠新道登山口に着いたのは11時5分です。ここからはゆるやかに250メートルを下る林道を歩きます。ストックをしまい、登山口の写真を撮ろうと思ったら、昨夜、笠ヶ岳山荘で一緒だった山ガールが降りてきました。
 
この人はたしか、他の登山者と語らって、クリヤ谷コースを下山」するのだろうと思っていました。おそらく、朝食を取り、山頂を往復し、それから下山しているでしょうから、私より1時間以上スタートは遅いはずですが、たった5分の違いで追いつかれたことになります。
 
そもそも彼女は、山ガールの水準を超えています。何せ昨日は、槍ヶ岳の肩から西鎌尾根を通って双六小屋を経て、私が辿った縦走路をとって笠ヶ岳に一日で到達しているのです。コースタイムで10時間以上あるはずですから。相当の健脚です。
 
彼女と少し話したかったのですが、こちらは先を急いでいます。一言別れを告げて歩き出します。登山口の写真は撮りそびれました。しばらく歩いて後ろを振り返ると、彼女が、それほど遠くないところを歩いていて、少しずつ私との距離を縮めつつあるように見えるのです。「足速いですね」と声をかけると、「私も同じバスに乗る」と返してくるので、結局、バス停まで一緒に行くことにしました。
 
昨晩の会話によると、元々彼女は、平湯温泉の「ひらゆの森」で汗を流し、新宿行きのバスに乗る予定だったようです。予定より1時間早いバスに乗ればそれだけ平湯でゆっくりできるというわけです。
 
これに対して私は、井上靖の小説「氷壁」に出てくる宿として知られる新穂高温泉「中崎山荘」で日帰り入浴しようと思っていました。しかし、私は足が遅いので、温泉はかなわず。
 
必死で歩いた結果、11時50分にバス停に着きました。もちろん、バスに間に合いました。昨年はまだ建っていた食堂の建物は取り壊され更地になっていました。これから橋の工事が行われるようです。
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電線がなければ上河内からの穂高の眺めにもひけを取らない笠ヶ岳稜線の眺め。奥の一番左側の峰が笠ヶ岳だと思います。
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