エバンス・ルール?

これはすごいですね。金融政策の専門家に解説してもらいたいものだ。
 
通常のニュー・ケインジアンモデルで、目的関数のウエイトの付け方や制約条件に特殊な想定をすれば、こういうのが出てくるんでしょうけれど。
 
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米国で米連邦準備理事会(FRB)が政策金利決定の基本を変えたとの見方が広がっている。
 従来の基本はジョン・テーラー元財務次官が提唱したテーラー・ルール。物価上昇率の目標との差と、国内総生産(GDP)ギャップとに対応し金利を決めていた。
 超低金利下で新しい基本とみられるのがチャールズ・エバンス・シカゴ連銀総裁が主張するエバンス・ルール。物価上昇率が3%以下なら、失業率が7%に下がるまで中央銀行のバランスシートを拡張しながら量的緩和を続ける。
 特徴は効果を重視し目標に失業率という実体経済指標を掲げた点。同総裁は「名目GDP目標より柔軟な案だ」とするが、資金供給量が大幅に増える可能性がある。
 緩和の悪影響を防ぐため物価3%以下という条件もつける。FRBは物価目標(中心値)2%としてきたが、緩和停止までの余地1%を明示した。インフレが起きにくい範囲で、ぎりぎりまで緩和を続ける方策といえる。
 前のめりの緩和には一部地区連銀総裁が異議を唱える。これまでの量的緩和効果が薄いのに加え、将来正常化が難しくなるからだ。
 バーナンキ議長は追加緩和した先月、雇用に効果が表れるまで緩和を続ける考えを示しながらも、失業率7%以下といった目標は示さなかった。エバンス・ルールを全面採用したわけではないが、市場は「従来の基準から半歩踏み出した」(JPモルガン)、「テーラーからエバンス、その先へ」(ゴールドマン・サックス)と受け止めている。ゴールドマンはこの基準変更で、ゼロ金利が2016年まで続くと予測する。
 エバンス氏は最近「慎重な政策を続ければ、日本のような『失われた10年』に陥るリスクがある」と述べ、米国が受動的な緩和姿勢を取らないよう警鐘を鳴らす。
 一方、日銀のバランスシートの資産残高は149兆円。リーマン・ショック東日本大震災があったにもかかわらず、05年末の水準を超えていない。日銀は量的緩和に慎重で、エバンス・ルールに傾く米国との温度差は広がっている。