清算価値、時価、買収価格の関係

これは、実質的に公的資金で資本注入した、ということですよね。

http://www.nikkei.co.jp/sp2/nt11/20080402AS2M0200V02042008.html

<米連邦準備理事会(FRB)が3月に証券大手ベアー・スターンズ
支援するために決めた特別融資を巡り、これが焦げ付いた場合には、
損失を国が肩代わりする形で保証するとポールソン財務長官が約束
していたことが明らかになった。FRBの損失の埋め合わせを通じ、
国民負担が生じることを認めた形だ。
ベアーの救済の是非を巡る論議が改めて高まりそうだ。>

それにしてもよくわからないのは、清算価値、時価、買収価格の関係です。

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080330AT2M2901829032008.html

<経営危機に陥った米証券大手ベアー・スターンズに対して、
同社の身売りに反対する機関投資家株主が相次いで訴訟に踏み切った。
「株主の利益を考えない善管注意義務違反」というのが訴えの理由。
ベアーを買収する米大手銀JPモルガン・チェースは24日に買収価格を
10ドルに引き上げたが、それでも直近の決算発表に基づく解散価値(80ドル超)
を大幅に下回るためだ。>

解散価値80ドル、時価30ドル、買収価格10ドル。

いったいどうなってんの?

解散価値が高いのは、会計がぜんぜん含み損を反映していないからでしょう。
時価は、買収が成功すれば減資など株主責任が問われることを
確率的に織り込んでいるから安い。
これはpressure to vender、ですね。
同時に、free riderもあるから、複雑なことになっている。
買収価格は、客観的価値というより、JPモルガンの言い値だな。
これから、社会からの圧力を反映して、上下するでしょう。