低線量被曝実験

今、たまたまNHK総合で流れてましたけれど、面白かった。

7月5日深夜にBS1で再放送するようなので、皆さん、見ましょう。

http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/110510.html

ここで文字おこしが今すぐ読めます。ただ、最初の方しか出来上がっていなので、おもしろいところまでたどり着いていません。

http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65739315.html

チェルノブイリ周辺の動植物の生態調査のレポートなんですが、要するに「低線量の長期被曝は健康にいい」という話!

チェルノブイリ周辺は事故後20年以上経て、今は、通常の数千倍程度の低線量被曝(!)が続く場所となっている。しかし、そこに暮らす動植物はみな至って元気。異常な個体はほとんど見られない。それはなぜか。

他方、渡り鳥を調査すると、異常な個体や卵が多い。この違いはどこから生じているのか。

健康なネズミを外から持ってきて、45日間汚染区域に放置してみる。回収して、多線量被曝させる。比較のため、何もしていないネズミも多線量被曝させる。

もちろん、ネズミのDNAは放射線で破壊されるのだが、驚くべきことに、45日間汚染区域に放置したネズミのDNAの方が、はるかに損傷が少なかった。

これは、低線量被曝がある程度続くと、放射線に対する耐性ができることを示唆している。しかも、その期間はたった45日でよいのである!

では渡り鳥についてはどう説明されるか。

渡り鳥は遠方から長い時間をかけてこの地に飛んできて被曝する。その時までに、抗酸化物質を使いつくしている。だから低線量の被曝でもDNA修復機能が十分に働かず、異常が発生する。

これに対し定着している動植物は、常に抗酸化物質を補給しながら低線量被曝しているので、DNA修復機能が追いついているというわけ。しかも長期被曝で、修復機能は強化される。

日本では御用学者と言われる人たちが、年間20ミリシーベルトは安全、と言っているわけですが、彼らのホンネは、ネズミに起こったことが人間に起こるかどうか、実験したいのだと思います。

上の理論からすれば、おそらく福島の人は安全ということになる。それどころか、長期的にはガンに対する耐性が強くなるかもしれない。はたして、どうなんでしょう。

人間だって動物であり、人間だけ例外ということはないでしょう。

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http://d.hatena.ne.jp/starssea/20110511/p1

<現在、チェルノブイリ原発周辺の汚染地域は、事故発生直後に比べて放射線量が約3%となりました。半減期の早い放射性物質は、その半減期の10倍の期間を過ぎると放射線を発生しなくなるからですが、相対としての「低線量」と言われたところで通常の数千倍とまだまだ生物にとって強烈です。原発近辺の松の森は事故から数週間で赤く枯れて「赤い森」と呼ばれ、そこに住む動物たちも急性被曝により死んでしまいました。現在はその地域も低線量となって緑が青々と高く茂り、それら植物の形状には今のところ異常は見当たらず生き生きとした野生の森になっているようです。人が住まなくなったその周辺地域は人に荒らされたり駆逐されることもありません。外部からたくさんの動植物がそこに移り住み、それら全体が循環調和している、一見とても美しい森となりました。しかしそれもきっかけは原発事故なわけで、すべてはずーーっと低線量被曝をしながらそこに生きています。研究者たちはその森を絶好の実験場として、長期の低線量被曝が生命にどういう影響を及ぼすのかを調査しています。

 ウクライナの研究者の中にレオニードさんという方がいます。中でも彼は特別で、原発から18km地点に住み様々な植物の放射性物質含有量を調査しながら、さらには家庭菜園で作った野菜やくだものを食べています。植物によってどこに放射性物質が蓄積されるのかを理解しながら、問題ない種類や部位を選んで食べるようです。そこでは何も表現はされませんでしたが、自分自身も研究対象と考えているのかもしれないなと思いました。

 また、ウクライナ人のガシュチャク博士とロバート・ベイカーさんというアメリカ人研究者がいました。生物が被曝する場合、放射線中性子は生物のDNAを破壊し、分子を破壊するとともに次々に細胞を破壊していくフリーラジカルと呼ばれるものを生み出します。その破壊を治癒できずに生物は死んでいくのですが、ねずみは違いました。彼らが研究対象としてねずみを選んだ理由は、「汚染したものを食べ内部被曝し続けている」「常に汚染された地表の近くで生活し、外部から低被曝汚染を受けて続けている」こと、あと「寿命が短いので何世代にも遺伝していく過程、進化過程が短期間にわかりやすい」などで、すぐに決まったそうです。

調査していくうちに、汚染地域のねずみたちはその汚染された森の中で不自由無く生活し体躯も異常なく、通常のねずみと変わらない身体機能を持っていました。被曝し続けて何世代にも渡り生きているのに、なぜねずみは正常に生きられるのか?博士たちはテキサス工科大学と共同で研究をすすめました。ねずみたちは個体それぞれの遺伝子がどれも似通っていて、被曝しながらも生き残って世代を40も超えて生きて増えてこられました。ねずみたちの体内ではフリーラジカルを抗酸化物質で無害に転じることができる、いわゆる免疫のようなものができ、被曝によりDNAを破壊されてもフリーラジカルの破壊スピードより速く抗酸化が作用して無害にしていく。おどろくべきことでした。

また、サウスカロライナ大学のムソー教授によるツバメの研究によると、渡り鳥であるツバメは抗酸化物質を消耗してアフリカからウクライナまで移動します。抗酸化物質がほとんどないまま汚染地域で被曝するので、フリーラジカルの影響を受けてしまいます。頭や目の周りに腫瘍ができたり、毛の一部にスポットで白い毛が現れたり、飛行に問題が生じるであろうシッポの長さが左右違う症状などの異常が出ることがわかったそうです。>