高田純教授

結論的には、この人の言うとおりだろうと思いますけれど、こういうところであまりほめられても、かえってトンデモ視されてしまう懸念はないのかな。

もちろん、私には、この人が言っていることを正しいとか誤りとか判断する材料は何もない。それは、この賞の選考委員も同じで、自分が好きな結論だからほめているだけとも言える。論壇賞だから、それでいいんでしょうが。

しかし、科学技術政策というのは、判断する材料の乏しい人が最終的に決める、という性格から逃れることはできない。国策を決めているのは、結局は、好き嫌いでしょう。

世論も同じで、「脱原発」だって、しょせん好き嫌いの問題で、科学的結論とは言えない。

<こうした体を張った研究は高く評価される傾向にあるようだ>ったって、「体を張った研究」によって明らかになることは少ないでしょう。事例が1例増えるだけだし。

一つの指針として、学会で広く同意されるかどうか、というのがありえるとは思います。この先生の意見を他の放射線科医や物理学者がどれだけ支持するか、ってこと。

それがわからないから、何とも言えないな。

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http://sankei.jp.msn.com/science/news/120115/scn12011512010000-n5.htm

<ちなみに高田教授はチェルノブイリ原発事故の現地調査の際、自身でセシウムの入ったきのこを食べる「人体実験」を行っている。その結果、セシウム137(半減期30年)は人体に入った場合、体外に半分が排出される生物半減期は100日であることを実証した。かつて胃潰瘍の原因のひとつとされるヘリコバクター・ピロリ菌を実際に摂取して実証した教授が2005年にノーベル医学・生理学賞を受賞したことがあったが、こうした体を張った研究は高く評価される傾向にあるようだ。

 高田教授は大震災後の昨年4月以降、福島県内で住民の甲状腺検査をボランティアで実施。その結果、検査した66人の甲状腺被曝(ひばく)量は最大でも8ミリシーベルトと、チェルノブイリの事例(最大50シーベルト)と比べて千分の1以下だった。その線量から計算すると「福島県民が甲状腺がんになるリスクは年間で1千万人あたり1人以下。といっても福島県の人口は約200万人。つまり、誰も甲状腺がんにはなりません」と結論づけた。

 日本は唯一の核被爆国といわれるが、高田教授はそうではないと指摘する。「世界最大の核災害があったのは中国内陸部のシルクロード楼蘭のあたり。住民の避難をさせずに核実験が行われ、数十万人が亡くなっている」と明かした。その影響は当然、日本にまでも及ぶことになった。

 中国の地上核実験で放出された放射能の量は、チェルノブイリ原発事故の実に800万倍に及ぶという。「東京五輪の年(昭和39年)に中国の核実験は始まったがそれ以来、黄砂と一緒に放射能も日本全国に降っていた。ただそれはほとんど報じられることはなかった。ストロンチウムについては今回の福島事故の1万倍の量が降ってきた」。セシウムの生物半減期が100日なのに対し、ストロンチウムの生物半減期は15年だ。その結果「“中国産”ストロンチウムによる日本人の体内被曝量は1~7ミリシーベルトに及ぶが、それでどんな影響があったか。団塊の世代の方々がいちばん影響を受けているはずだが、みなお元気。おそらく天寿をまっとうされるはず」と、低い線量では健康に影響がないことは「日本人が実験台となって実証された」と解説した。

 そうした、日本全国を汚染した中国由来の放射能については、今でもほとんど問題とされていない。そうしたことも含め、高田教授は「日本の反核平和運動はウソだ」と断言。「核・放射線への正しい認識を持って、今後の日本の発展を考えていかねばならない」と講演を締めくくった。>