高報酬なのに冴えないヘッジ・ファンドのパフォーマンス

春だけど、いずこも同じ秋のナントカ、、、ですな。

ヘッジファンドでも何でも、特別な情報を握っている人たちがどこかにいて、高い運用パフォーマンスを持続している、という金融市場の見方をする人って、根強く存在します。けっこう、理系の人の方がそういうナイーブな見方を口にしたりする。

で、そういうファンドにけっこう注ぎ込んでるのが公務員共済組合だったりするのも、日本とかアメリカとか、あまり関係ないんですね。

年金というのは、集めたのを右から左に流して給付した方が安心、と思いますよ。くれぐれも経済学者の屁理屈に騙されないように。

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http://blogos.com/article/35670/?axis=g:0

<投資の失敗というより詐欺以外の何ものでもないAIJと多くの代替投資マネージャーを同列に論じることはできない。しかしヘッジファンド等が多額の報酬を受け取っているわりには、余り高いリターンを上げていないことがニューヨーク・タイムズで記事になっていた。

記事が最初に取り上げたのは、ペンシルバニア州公務員退職基金で、非常に代替投資に積極的である。263億ドルの資産の内46%を代替投資に回しているが、過去5年間の平均リターンは3.6%だった。これは予定利率の8%を下回っているのみならず、公的年金システムのリターンの中央値4.9%をも下回っている。

一方ジョージア州の144億ドルの退職金システムは州法で代替投資が禁じられているので、伝統的な投資を行っていたが、過去5年で5.3%のリターンを上げた。米国の公的年金のサンプル調査によると、資産の3分の1から半分以上をプライベートエクイティヘッジファンド、不動産に投資しているファンドのリターンは、それらを避けていたファンドのリターンより1%以上低い。ヘッジファンド等に投資しているファンドは4倍近くも運用報酬を支払っているのに、である。

公的年金代替投資別のリターンを見ると、プライベートエクイティが7.2%でヘッジファンドは2.74%に過ぎなかった。同期間のグローバル債券のリターンは6.99%でグローバル株式は3.68%だった。

アメリカの公的年金が高いリスクを犯して、代替投資を行う理由は8%という高い予定利回りにある。ペンシルバニア州公務員退職基金のスポークス・ウーマンは、同基金は過去25年間で8%の予定利回りを超える8.8%のリターンを上げたと述べている。>