最近の株価値下がりでもっとも損したのは外国人

日頃のイメージとして「外国人に食い物にされ、損する日本勢」というのがあるが、それとは逆になっているようなのが小気味よい?

しかし、日経平均は上げ幅の72%を下げ、円は下げ幅の67%を戻したのだから、ドル建てで見ればそれほど損していないのでは。あるいは、円高を考慮しても外国人は250億円相当の損失をかかえた、ということか。

まあ、外国人の機嫌を取るために金融政策をやっているわけではないので、日経記者もいい加減なこと書くなよ。

今回の下げは、欧州の金融不安の再燃に、フランスをはじめ債務問題解決の枠組みを作った政治家がかえって民意によって失脚しつつあることが追い打ちをかけたということであって、日銀のせいではないでしょう。

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http://www.nikkei.com/markets/column/hanshakyo.aspx?g=DGXNMSFZ01050_01052012000000&n_cid=DSTPCS007&df=2

<日銀がインフレ目標の導入に合わせて量的金融緩和を強化した2月14日から2カ月半がすぎた。4月27日にも追加策を打ち出した。ところが、「そんなことをしても効果がない」という日銀の持論が見事に的中し、5月1日までに日経平均株価は3月27日までの上げ幅の72%を失い、円の対ドル相場も下げ幅の67%を戻した。バレンタインデーに打ち出された日銀の義理チョコを本物だと信じた海外投資家は結局、250億円以上の損失を抱えてしまった。それにしてももうちょっと上手にできないものだろうか。(中略)

反対に最も利益を上げたと思われるのは、年金などの資金を運用する国内の信託銀行だ。ホームでの戦いとあって、日銀の心のひだと不器用ぶりは十分に読めたのだろう。10週間の売買の合計は1兆57億円の売り越しだ。すべて「日経平均」株の売りだったとすると、直近で1億193万株の売り持ちになっている計算。1株当たりの売り価格は9866円で、これを5月1日の日経平均で評価すると、1株515円の含み益となる。総額525億円のもうけだ。

 個人投資家は10週間で255億円の売り越しだった。しかし、日経平均が9000円台で推移していた2月第3週から3月第2週にかけて売り越す一方、日経平均が1万円台に乗せてから買い越したため、トータルでは142億円の損失を抱えた。ほかの投資部門も試算すると、生損保が10週間で124億円、投資信託が20億円、都銀・地銀が15億円のそれぞれプラス、証券会社の自己勘定が207億円、事業法人が22億円の各マイナスとなった。

 それにしても、グラフに示すように株式相場や外為相場は3月下旬にかけて小躍りしながら、結局、元のもくあみになりつつある。日銀にとっては「量的緩和は効果がない」という持論が実証できたとしても、それで経済が活性化するわけではなく、何の得にもならない。今回、損失を抱えた外国人を中心に「もう日銀にはだまされない」と考える投資家が増える分、これからますます金融政策は効果を上げにくくなり、デフレ脱却に向けての政策コストが高まるだけだ。>