10年前の金融政策論争

安倍総裁の発言により、にわかに金融政策に注目が集まっていますが、活発な論争が巻き起こっているという感じではありませんね。何か、みんな自分の主張を一方的に言っているだけという感じ。

金融政策が話題になったのは今回が初めてではなく、2000年~2003年ぐらいに一つのブームがありました。その時にはかなりの論争集が出版されていて、論争らしい華やかさがありました。

論争が起こらない一つの理由として、10年前に発言していた人があらためて出ているのに対し、新しい参加者がありません。つまり、「またか」の感があるのです。

10年前の論争については、何と言っても、これが重要です。

1.伊藤隆敏『インフレ・ターゲティング』(2001、日本経済新聞社

続いて、有名な「バーナンキ背理法」は、次の本の173ページに出ています。

2.三木谷・ポーゼン編『日本の金融危機』(2001、東洋経済新報社

主要な論争は、次の2冊に収録されています。

3.岩田規久男編『金融政策の論点~検証・ゼロ金利政策』(2000、東洋経済新報社

4.小宮龍太郎日本経済研究センター編『金融政策論議の争点』(2002、日本経済新報社)

4には白川総裁(当時の肩書は企画室審議役)まで登場している。